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ニューズ&コメンタリー

東京電力が放射能広がり試算を公表できない理由は?

奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 東京電力福島第一原子力発電所は、建屋を破壊され、外界に放射性物質を放出する異常な事態に陥っている。放射性物質はどのように広がっていくのか、東京電力が独自にシミュレートした結果について、東電の武藤栄副社長は3月23日夜、「残念ながら意味のある結果にはなっていない」として公表を拒否する考えを明らかにし、さらに24日未明、シミュレーションそのものをしていないと東電は発表した。原発の危機に東京電力はどう対処したのか。東京都千代田区内幸町の東京電力本店から報告する。

  ▽筆者:奥山俊宏

  ▽関連記事: 東京電力本店からの報告

 

 ■3号機から黒煙

 23日午後4時32分、記者が集まっている部屋に東電社員が現れて告げる。

 「福島第一原発3号機で煙が先ほどから発生しております。念のため作業員の一時的な退避をさせております」

 3号機は前夜、津波に襲われて以来

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奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 朝日新聞編集委員。
 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部などを経て特別報道部。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。
 著書に『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)。共著に『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)など。
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