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ニューズ&コメンタリー

危機を深めたオリンパス緊急記者会見4回やりとり全文

奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 オリンパスは10月14日からこれまでに4回の緊急記者会見を開いた。うち2回は社長の交代を発表する会見だったが、いずれも前任者は会見場にいなかった。残り2回は、過去の企業買収をめぐる不正経理疑惑に関するものだが、その内容は正反対。高山修一社長は当初、「報道内容」によって「各方面」に「ご心配、ご迷惑をおかけし」たとして「お詫び」したが、その後、日本企業への信頼をおとしめた統治不全疑惑の象徴的存在となった。オリンパスは記者会見のたびにみずからを窮地に追い込み、危機をあおり、株価を下落させていった。

 

 ■ホームページの社長メッセージの変遷

 10月中旬以降、インターネット上にあるオリンパスのホームページのトップにそのときどきの社長のメッセージが大きく掲げられている。

拡大オリンパスのホームページのトップに10月25日に掲載されていた菊川社長(当時)の「決して不正はございません」という「お知らせ」

 10月14日にマイケル・ウッドフォード氏を社長から解任し、その後釜に座った菊川剛・会長兼社長(当時)は、そのメッセージのなかで、「一連の報道内容や株価の低迷等を通じて、各方面にご心配、ご迷惑をおかけしておりますこと」について「深くお詫び申し上げます」と前置きした上で、「新聞等で報道されている過去の買収」について「適切な評価、手続きを経て実施した」「決して不正行為はございません」と抗弁した。「報道が悪い」と言わんばかりの反論だった。

拡大オリンパスのホームページのトップに11月4日に掲載されていた高山社長の「決して不正はございません」という「お知らせ」

 菊川会長兼社長は10月26日に辞任し、代わりに高山修一専務が社長に就任した。しかし、高山新社長はその日と翌日の記者会見で菊川氏の主張をそのまま引き継ぎ、記者たちを驚かせた。オリンパスのホームページに掲載された高山社長の「お知らせ」の要点は菊川社長時代の「お知らせ」の文言を引き写したもので、「適切な評価、手続きを経て実施した」「決して不正行為はございません」という抗弁を維持していた。

拡大オリンパスのホームページのトップに11月8日に掲載されていた高山社長のメッセージには「決して不正はございません」という言葉はなかった

 ところが、11月8日の記者会見で高山社長は不正を認め、ホームページのメッセージからもそれまでの抗弁を削除した。しかし、「一連の報道内容や株価の低迷等を通じて、各方面にご心配、ご迷惑をおかけしておりますこと」について「深くお詫び申し上げます」という前置きはそのままだった。不正そのものに対する「お詫び」、損失を隠して株主や証券市場を欺いたことに対する「お詫び」は、ホームページのトップには見あたらなかった。

拡大オリンパスのホームページのトップに掲載されている高山社長の「謹告」

 現在、オリンパスのホームページのトップには高山社長の「謹告」が掲載されている。その冒頭には「過去の買収案件に関する第三者委員会の調査の過程にて、弊社が有価証券投資などに関する損失の計上を先送りしていたことが判明いたしました」と書かれ、その上で、「株価の下落など」や「多大なるご迷惑をおかけしておりますこと」について「深くお詫び申し上げます」と謝罪している。「一連の報道内容」に対する批判的な言及は削除された。

 ■記者会見での発言の変遷

 一連の騒動の幕を開

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奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 朝日新聞編集委員。
 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部などを経て特別報道部。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。
 著書に『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)。共著に『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)など。
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