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ニューズ&コメンタリー

現金4億円保管 小沢氏「私どもの感覚」 被告人質問2日目一問一答

1月11日午前、第13回公判

 民主党元代表・小沢一郎被告(69)に対する2日目の被告人質問が11日午前、東京地裁で始まった。大きな注目点となっている土地取引の原資の4億円について、検察官役の指定弁護士の質問が集中。小沢氏は億単位の資金を現金で保管していたことについて、「私どもの感覚からは離れていない」などと答えた。

  ▽この記事は2012年1月11日の朝日新聞夕刊に掲載された原稿に大幅に加筆したものです。

  ▽注:法廷でのやりとりは記者のメモから起こしたもので、正確に聞き取れなかった部分があります。聞き取れなかった部分は「〓」などと表示してあります。

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拡大東京地裁に入る小沢一郎・民主党元代表(左)=11日午前9時19分、東京・霞が関

 前日に5時間弱の質問を受けた小沢氏。10日午後に引き続いて大室俊三・指定弁護士から質問を受けた。

 小沢氏は2004年10月、経理担当秘書だった石川知裕衆院議員(38)に、土地購入資金として事務所の金庫に保管していた4億円を現金で渡していた。

 大室弁護士は「感覚の違いかもしれないが、億単位の金を現金で事務所に保管することは想定できない」と質問。小沢氏は「何かの必要ができた場合、さしあたって対応できる。使い勝手や安全の意味から言っても、私どもの感覚からはそれほど離れたものではない」と答えた。

 4億円の金庫への保管状況については「1億円ごとのビニールパックがあったと思うが、正確には記憶に残っていない」と述べた。

 小沢氏は前日の10日、4億円を渡した後の手続きについて「一切関与していない。土地の売買契約を結んだという報告も受けていない」と説明していた。

 大室弁護士はこれに関して、10年1月に小沢氏が東京地検特捜部の聴取を受けた際の供述調書に「売買契約書は確認したと思う」と記載されていると指摘。小沢氏は「何年も前のことで、私にとってはほとんど記憶にない。すべて調べていた検事に『こうではなかったか』と言われ、『そうだったかなあ』と記憶がない中で答えた部分もある」と述べた。

 大室弁護士はさらに、小沢氏が土地取引に関与したとうかがわせる客観証拠について相次いで追及した。

 問題となった土地は、小沢氏名義になっている。小沢氏は07年の会見で「陸山会との間で『私個人は何の権利もない』という確認書を交わしている」と説明したが、確認書は会見直前に作成していた。小沢氏はこの事実を認めたうえ、「この点の確認書がなかったので、秘書に作れと言ったと記憶している」と答えた。

 土地の購入原資について、石川議員の後任の池田光智元秘書(34)は、07年の週刊誌取材に「銀行融資」と回答した。公判では「代議士から電話で(回答について)訂正の指示を受けた」と証言した。回答書を見て指示をしたのではないかと問われた小沢氏は「ないと思う」と否定。「小沢氏の4億円を隠す意図では」との質問には「邪推だ」とかわした。

 指定弁護士は、小沢氏がコピー用紙に裏紙を使うよう秘書に指示する一方で、「偽装工作」とみる4億円の銀行融資では年間450万円の利子負担が生じている点も追及。小沢氏は「裏紙は倹約や環境を大切にするという当たり前の話で、融資とは別次元の話だ」と反論した。

 小沢氏はまた、土地購入のために自ら用意した4億円の出どころの説明が、東京地検特捜部による聴取の中で変遷したのではないかとの指摘に対し、「正確な記憶がなかっただけで、変えていない」と述べた。

 小沢氏は、元秘書らが逮捕された直後の2010年1月23日に初めて特捜部の聴取を受けた。この際、小沢氏は4億円の原資について、「相続財産や家族名義の銀行口座から引き出して個人的に保管していた5億6千万円のうち、残っていた4億数千万円の中から4億円を渡した」と供述したとされる。ところが、2回目の同月31日の聴取で検事は、5億6千万円のうち3億円は1997年に引き出され、その当日にほぼ同額が小沢氏の妻名義の口座に入金された事実を指摘。小沢氏は5月の3回目の聴取の際にこの事実を認めたことから、指定弁護士は説明が変遷したとみて尋ねた。

 小沢氏は「供述は変えていない」と否定したうえ、「銀行からの資料で最小限確認ができ、客観的に明らかなもので(その度)説明した。金に色はついていないが、3億円も原資にはなったと思う」と話した。

 ■法廷でのやりとり

 1月11日午前の公判でのやりとりは以下の通り。

 《10:00~10:20》

 大室指定弁護士:昨日の確認。深沢8丁目の土地売買契約については、報告受けてなかった?

拡大法廷で検察官役の指定弁護士の質問に答える小沢一郎・民主党元代表(左)=11日午前、東京地裁、絵と構成・小柳景義

 小沢議員:はい。

 大室指定弁護士:甲26。売買契約書を示す。これを当時、見たことはありますか。

 小沢議員:ないと思います。

 大室指定弁護士:見たかどうかを検事から尋ねられたことは?

 小沢議員:ない。

 大室指定弁護士:1月23日に事情聴取時、「確認した」という趣旨になっている。

 小沢議員:必ずしも記憶があるという趣旨の供述をした記憶はない。

 大室指定弁護士:調書作成時に、読んでもらって、確認したのでは?

 小沢議員:昨日申し上げたように、色々な質問は何年、何十年にわたることで、私にはほとんど記憶がない。色々なことについて検察は調べて、金銭について私が覚えてないことを全て持っていたと思う。この質問で明確な記憶を言うことができないという状態だったが、「こうでは?」「ああでは?」と聞かれ、ほとんど記憶がないが、そのように答えたぶんがほとんど。そういう答えをしたかもしれないが、明確な記憶がない。

 大室指定弁護士:売買契約は見たことがないというより、記憶がない?

 小沢議員:記憶がないのも、見たことがないのも同じだが、記憶がない。

 大室指定弁護士:捜査段階で見た可能性は否定しない?

 小沢議員:そういう質問をされると、可能性がないと断定できないが、記憶にない。

 大室指定弁護士:12日に石川さんに4億円を元赤坂タワーズで現金で渡した?

 小沢議員:そうだったと思う。

 大室指定弁護士:石川さんの話だと4つの紙袋の状態で渡されたと。

 小沢議員:1億円パックのものもあったかもしれない。バラのものを1つの単位にまとめたものもあったのではないか。記憶にない。

 大室指定弁護士:全部がビニールパックの1億円だったと断定はできない?

 小沢議員:記憶がはっきりしないので、それが違うともいえない。

 大室指定弁護士:1億円をビニールで包んだものはあった?

 小沢議員:あったと思う。

 大室指定弁護士:1億円を包んだのは、あなたや関係者が包んだ?

 小沢議員:そうではないと思う。

 大室指定弁護士:銀行からおろした状態?

 小沢議員:だったと思う。

 大室指定弁護士:すると、4億円のなかには銀行からおろした状態のものもあった?

 小沢議員:はい。

 大室指定弁護士:どの銀行からおろしたのか。

 小沢議員:事情聴取にあたり、私の親から引き継いだ以外の現金もある。手元にあったということは、客観的に明らかにできないので、金融機関に何が残ってないかと資料を問い合わせ、要請した。10年、それ以上前のものはないという返事だったが、何とかしてくれと言って、最終的に銀行が全てを説明はできない、わからないということだったが、その中で確認できたのは文京区の自宅を売り、世田谷の土地を購入したが、その時はバブルの初めで、思った以上に旧来の自宅を売って、世田谷の土地も買い求めたが、差額もかなりあった。出入りを示す資料は銀行から得られなかった。最小限に手元に銀行からおろした金は2億円の出金記録があった。もう一つの銀行、これは私が心臓病で入院した後、万が一のことを考え、銀行に預けてあったものに手持ちの金を加えて預金した。その預金は、金融危機もあり解約した。その金額は3億6、7千万円を解約した。その2つの記録が確認できた。足して5億6、7千万円だったと思う。

 大室指定弁護士:どこの銀行からおろしたのかは検事からも尋ねられてますよね。

 小沢議員:検事はすべて調べていた。

 大室指定弁護士:あなたに尋ねた?

 小沢議員:質問の前後は覚えてない。私から言ったかもしれない。

 大室指定弁護士:乙1号(2010年1月23日付調書)を示す。あなたの調書には、「昭和60年に湯島の自宅を売却し、深沢の自宅を購入し、残った2億円を現在のりそな、当時の大和銀行衆議院支店から平成元年からおろした2億円。安田信託銀行から平成9年に引き出した3億円、同じ口座から平成14年に6千万円。この5億6千万円のうち元赤坂タワーズに残っていた4億数千万円のうち4億円を渡した」とある。昨日、あなたが言われたのは、この調書と同じ趣旨ですか。

 小沢議員:検察の聴取で、私は資料もないし、細かな具体的なことまで覚えているわけではない。検察の捜査でそうなった日付、その他のことを否定する記録をとどめていたわけではない。

 大室指定弁護士:今の調書の記載は、今回の話と同じ趣旨ですか。

 小沢議員:はいそうです。

 大室指定弁護士:調書の記載に、「安田信託銀行の家族名義の3億円はその日のうちに小澤和子名義の口座に2億9800万円が振り込んでいる」と後に供述を変えたのでは?

 小沢議員:変えてない。小澤和子名義のところにそのような入金があったということも、その時点ではどのようなものかわかってなかったと思う。

 大室指定弁護士:最初の調べではわからなかったが、検事が調べてその後にわかったことを指摘され、供述が変わったのではないか。

 小沢議員:小澤和子名義に振り込まれたものなかのどうかわからない。

 《10:20~10:30》

 大室指定弁護士:乙4号証【5月15日付検察官調書】、12ページの一問一答を読み上げる。問い「『1月31日の2回目の聴取で平成19年の出金3億円について問われ、今回、銀行記録を調査したところ、約2億9800万円をその日に、りそな銀行の小沢和子名義の口座に振り込みがあったことを確認した。3億円の中から振り込んだのだと思います。手続きは私が指示して女房が行ったのかもしれない』と供述を変えた。1回目の聴取とその後の会見では事実と違うことを言ったのか」。答え「自己資金に由来することは間違いないが、いつどこの銀行からかは正確に記憶していない」とある。

 小沢議員:正確な記憶はない。和子名義の口座に入金があった金が安田信託の金そのものだという認識がなかった。

 大室指定弁護士:その後、4億円の出どころを調査した?

 小沢議員:再三銀行に資料をくれと言ったが、ないのか出せないのか分からないが、「古いのはありません」と。

 大室指定弁護士:今の認識として、家族名義の3億円が石川さんに渡した4億円に入ったという認識?

 小沢議員:手元の金ももちろんあったが、それは客観的に示せるものではないので、金融機関で何か資料が残っていないか尋ねたが、詳細な資料はなかった。従って私としては、安田信託からおろした金は、色は付いていないがトータルの原資になったと思う。

 大室指定弁護士:石川さんは証人尋問で、4億円全てが銀行から引き出されたものと述べたが、億単位の金を金融機関から引き出すことはままあった?記憶が曖昧だということなので。

 小沢議員:はっきりしたのは、自宅の売買の代金。かなりの差額があったと思うが、最終的に銀行の資料から見いだしたのは2億円は間違いない。それ以外にも【売却代金の残金は】あったと思うが、客観的に説明する資料がない。

 大室指定弁護士:16年12月当時。4億数千万円は元赤坂タワーズにあったと。いつごろからあった?

 小沢議員:分からない。現金を手元に置くことはずっとあった。

 大室指定弁護士:感覚の違いかも知れないが、億単位の金を現金で事務所や自宅に置くのはどういう考えで?ちょっと想定できないのだが。

 小沢議員:何かの必要ができた場合、さしあたって対応できる。手元に現金を置いておくことは、使い勝手の意味からも、安全であるという意味から言っても、私どもの感覚からはそれほど離れたものではない。

 大室指定弁護士:16年10月当時。りそな銀行衆院支店に個人口座を持っていた。

 小沢議員:持っておったと思う。

 大室指定弁護士:個人口座はずっと事務所で通帳を管理?

 小沢議員:そうだったと思う。

 大室指定弁護士:どういう金が入金される?

 小沢議員:歳費など国会からの報酬。顧問料、テレビ・新聞などの出演料、「日本構造計画」の印税などで、かなりの額になったと思う。

 《10:30~10:45》

 大室指定弁護士:昨日証言した収入の内訳の内容のことだと思うが、基本的に収入はこの口座に入金される?

 小沢議員:そうですね。

 大室指定弁護士:石川さんに渡した4億円はこの口座から引き出した?

 小沢議員:通常使っている口座ではないと思う。たぶん売買のときからの資料が銀行からいただけないので客観的資料で説明できないが、売買が主目的で違う口座を作ったんだと、資料から判定できるので、資料を見るとその後解約されているので一時的な口座だと思うが、その口座は売買代金の最後の2億しか銀行から資料がいただけなかった。

 大室指定弁護士:このりそな銀行のあなたの口座は弁護人には開示されているが、元帳の写しがある。それを見れば説明できる?

 小沢議員:どの口座のですか?

 大室指定弁護士:番号?

 小沢議員:いえ、歳費や顧問料、印税が入る口座?

 大室指定弁護士:はい。それを見ると、今申し上げた口座の平成16年の残高の記憶は?

 小沢議員:ありません。

 大室指定弁護士:平成16年10月時点で、1億8千万円とかなりの残高がある。その口座から本件4億円が出金されているのかどうか確認できる?

 小沢議員:いや、わかりません。

 大室指定弁護士:見る限り、主な収入が入金されている口座から、億単位の出金があった形跡がない。記憶として、そこから金を出した記憶は?

 小沢議員:その口座で億単位の出入金はなかったかと思う。

 大室指定弁護士:相当の額のりそな銀行の預金とは別に、元赤坂タワーズに現金があった。その資金の違いは?わざわざ分けていたわけですよね。

 小沢議員:わざわざ分けて管理していたわけではない。歳費、顧問料、出演料、印税は基本的にその一つしか口座がなかった。それに入っていて、たまたまだ残高がそのくらいになっていた。

 大室指定弁護士:あなたの収入が入る口座は石川さんたちも見ると思うが、元赤坂タワーズにあった現金は石川さんは知らない?

 小沢議員:はい。

 大室指定弁護士:石川さんが知らなかった元赤坂タワーズの現金を見て、収入の口座と無縁の現金で、表に出せないと思ったとあなたは想定できない?

 小沢議員:私は用立てるときか、渡すときか、どちらかわからないが、「自分の金だから」と言ったように記憶している。

 大室指定弁護士:石川さんに渡したとき、ビニール袋で包んだパックの状態で渡したようだが、元赤沢タワーズの金庫に入っていたのは紙袋に入れた状態だった?

 小沢議員:それは記憶してない。

 大室指定弁護士:金庫から出して、あなたは紙袋に詰めることはした?

 小沢議員:具体的に記憶していないが、紙袋に入っていたかもしれないし、私が金庫から出して紙袋に入れたかもしれない。記憶がはっきりしない。

 大室指定弁護士:億単位の現金を頻繁に出し入れしていたことはないですよね。

 小沢議員:はい。

 大室指定弁護士:それならば古いことでも、記憶していてもおかしくない。それでも記憶はない?

 小沢議員:具体的な記憶はありません。

 大室指定弁護士:1億円のパックというのは10キロの重さがある。

 小沢議員:重さはわかりません。

 大室指定弁護士:でもあなたはそれを持ってますよね。

 小沢議員:荷物を持って、何キロかはわかりません。

 大室指定弁護士:ビニール袋はとってはある?つまり、両手でないと持てないのか、片手で持てるのか?私は1億円のビニールパックを見たことないものですから。

 小沢議員:ですから、袋に入れてたんだと思う。

 大室指定弁護士:袋に入れる前の状態を聞いてるんです。

 小沢議員:とってはないと思う。

 大室指定弁護士:石川さんは「ビニールコーティングして、新聞紙に包まれ、見え

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