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ニューズ&コメンタリー

情報公開審査会が原子力機構に苦言「内部被ばく検査情報、開示に努めるべきだった」

奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 福島第一原発事故が発生して間もない時期に独立行政法人「日本原子力研究開発機構」が東京電力の作業員らの内部被曝の検査を担当しながらその結果を公表しなかった経緯について、情報公開に関する内閣府の審査会が「国民の真摯な関心が高いことを踏まえ、情報の開示に努めるべきだった」と苦言を呈した。同機構は24日、これまで開示を拒否していた検査日などの情報を記者に開示。事故直後の昨年3月に26人しか検査を受けていなかったことがわかった。

  ▽筆者:奥山俊宏

  ▽この記事は2012年5月25日の朝日新聞に掲載された原稿に加筆したものです。

  ▽関連記事:   東京電力本店からの報告

 

 福島第一原発と福島第二原発では、体内の放射能を測定する機械「ホールボディカウンター」を4台ずつ保有していたが、事故後はすべて使えなくなった。原子力機構は政府の要請を受けて、「ホールボディカウンター」を搭載した「移動式全身カウンター車」1台を福島県いわき市に職員とともに派遣。3月21日から5月12日まで作業員の内部被曝を検査した。

 朝日新聞記者は昨年4月12日、測定結果の概要を明らかにするよう原子力機構に求めたが、同機構はこれを拒否。このため、記者は同月21日、情報公開法に基づく開示を同機構に請求したが、同機構は情報のほとんどを黒塗りにした資料を開示した。記者はこれに異議を申し立て、同機構は内閣府の情報公開・個人情報保護審査会に諮問した。

 同審査会は今年4月16日、検査の日付や、検査を受けた測定員の作業期間の中間日について「開示すべきである」と答申した。被曝線量に関する情報については、同審査会は「そのデータに対する社会的な反応には予測し難いものがあり、周囲からあらぬ偏見を持たれるおそれを払しょくすることができない」として不開示を妥当とした。

 答申書には「付言」として、「放射能の内部被ばく問題については、国民の真摯な関心が高いことを踏まえて、被測定者の権利利益が害されるおそれがないように配慮して、自らあるいは関係機関に働きかけて、検査結果に関わる情報の開示に努めるべきであった」と記載されていた。

拡大原子力機構から開示された内部被曝の検査結果=5月24日午後、東京都千代田区内幸町で

 原子力機構はこの答申に従って、5月24日、計測年月日などの情報を記者に開示した。それによれば、昨年3月中に内部被ばくの検査を受けた作業員はわずか26人(22日8人、23日2人、24日3人、25日2人、26日3人、30日6人、31日2人)。検査人数が増えたのは4月12日以降のことだった。3月中に緊急作業に従事した作業員は3726人だったとされており、同月中に検査を受けられたのはその1%にも満たなかった計算になる。4月上旬当時、「早期の検査」を求める声が上がっており、4月12日の朝日新聞には「原発作業員 早期検査訴え」「『不安』体内の被曝量」という見出しの記事が掲載されている。

 記者は昨年4月11日、東電に対しても測

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奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 朝日新聞編集委員。
 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部などを経て特別報道部。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。
 著書に『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、 『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)。共著に『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)など。
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