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ニューズ&コメンタリー

鉛カバー被曝隠し問題で東京電力が「不安をおかけしてお詫び」

7月23日、東電本店記者会見詳録

 東京電力のグループ企業「東京エネシス」から福島第一原発構内の作業を下請けした会社の役員が放射線被曝の線量を測る個人用の線量計を鉛の板で覆って働くよう労働者に指示した問題について、東電は23日夕方、インターネットのツイッター上で「ご心配をお掛けしましたことをお詫び申し上げます」とツイートし、続けて記者会見などで、元請け29社を通じ工事現場の責任者数百人に類似事例がないかアンケートする方針を明らかにした。

 

拡大東京電力本店の記者会見=7月23日午後6時28分、東京都千代田区内幸町で

 東京電力は23日午後6時、原発関連情報を社会に伝えるための公式アカウント「@TEPCO_Nuclear」で「お知らせ」と題する3連続ツイートを始めた。

 「福島第一原子力発電所で個人線量計を鉛で覆い作業を行っていた問題について、ご心配をお掛けしましたことをお詫び申し上げます。弊社は、7/19に元請会社の(株)東京エネシスから報告を受け、同日、事実関係を調査するよう依頼いたしました」

 「弊社は、福島第一原子力発電所構内で作業を行っている社員及び協力企業に、放射線管理ルールの再徹底を周知し、他に類似の事例がないかアンケート形式で確認するとともに、東京エネシスに、当該作業員の線量値についても再評価するよう依頼いたしました」

 「今後は、東京エネシスの詳細な調査結果や、アンケートの調査結果を踏まえ、厳正に対応してまいります」

 東京・内幸町の東電本店では同時刻、原子力・立地本部の松本純一本部長らが記者会見を始めていたが、その冒頭、別の件に関する説明があり、鉛カバーの問題に関する説明はツイートが先行する形となった。

 記者会見での松本本部長代理の説明によると、東京エネシスが当時のビルド社の作業員14人の聞き取りを進めており、すでに聞き取りを終えた4人のうち2人が装着を認め、2人が装着を否定しているという。「全国に作業員が散らばっていることもあり、調査を終えるまではまだ時間がかかるようだ」とした。発注者責任については「動機や実態などエネシスの調査が終わってから改めて表明したい」と言うにとどめた。

 記者会見での説明と質疑応答の主な内容は以下の通り。

 ■冒頭説明

 東京電力 松本本部長代理:個人線量計に鉛のカバーを取り付けて、被ばく線量をいわゆる過小評価させているのではないかと報道されておりますけれども、少しその点に関しまして、事実関係のほうを説明させていただければと思います。

 まず私どものほうには7月19日に東京エネシスさんのほうから本件に関しまして報告がございまして、当社から東京エネシスさんのほうに事実関係を調査するように依頼をさせていただきました。

 こちらに関しまして、少しわかっている状況をお知らせさせていただきますけども、今回の元請け会社さんは、先ほど申し上げたとおり、東京エネシスさんでございます。その下に実際に行ったのは東京エネシスさんから一次請けという形で仕事を請け負っているビルドアップという会社さんでございます。こちらの会社さんは淡水化設備における凍結防止対策といたしまして、旧事務本館周りにおける耐圧ホースの保温材の取り付け作業を行っている作業を請け負っております。

 ビルドアップさんが実際に現場で作業されていた期間は昨年の11月25日から12月26日まででございました。この間、働いている方は現場の作業責任者が1名と、その他の作業員13名で計14名の状況でございます。今回、現在までの聞き取り調査でございますけれども、鉛のカバーをつけたというのは、この作業期間の中の12月1日、一日だけというふうに伺っておりまして、この時に実際作業されていたのは全部で9名の方になります。このうち作業責任者が鉛のカバーをつけるようにと指示したものが5名ということで、この5名を含めまして、全員に14名分の現在ヒアリングを進めているという状況でございます。なお詳しい個別の状況、それからヒアリングの結果につきましては現在東京エネシスさんの方で調査を進めておりまして、現在当社と致しましてはその状況を待っているということになります。

 当該の保温剤の工事を行っているところの現場の空間線量は、0.3から1.2ミリシーベルト/per hour(毎時)という状況でございまして、関連の作業員の方のこの時点での被ばく線量に関しまして平均が9.5ミリシーベルト、最高線量が18.9ミリシーベルトでございました。また、このAPD以外に、ガラスバッジという2つの線量計をつけておりまして、こちらのほうとAPDの値を比較しますと、大きな差がないということで、あまりこの鉛のカバーをつけても効果といいますか、線量が下がったという顕著なものはなかったというふうにうかがっております。引き続き、このエネシスさんのほうからの聞き取り調査の結果を踏まえまして、私どもとしても対応していきたいというふうに思っておりますけれども、今回の事案に関しましては、私どもとしても重く受け止めておりますので、本日7月23日付で福島第一の構内で作業されている方々に対しましては、放射線管理上のルールを徹底するようにということで、再徹底をお願いしているところでございます。

 また、本日から一カ月程度になりますけれども、福島第一の構内で作業している社員、それから元請けの企業さんに対しましては、他に同様の類似事例がないかどうかにつきまして、アンケートを実施するということで調査を開始するということでお願いをしているところになります。引き続きこういった事案に関しましては厳正に対処していきたいというふうに思っております。本件につきましては以上です。

 ■質疑応答

 ――女性記者:朝日新聞の青木と申します。鉛のカバーの問題についてですね、ツイートでお詫びということで仰っているんですけれども、改めてどのようにですね、受け止めて、お詫びしているのは何についてお詫びしているのかということを改めて伺いたいんですけれども。これがまず1問目お願いします。

 松本本部長代理:今回は新聞、それからテレビ等で報道されておりまして、今回の問題につきまして社会の皆様に大変ご心配とご不安をおかけしたということで、東京電力としてお詫び申し上げた次第でございます。

 ――女性記者:心配をかけたことに対するお詫びということですかね。

 松本本部長代理:はい。今の時点では、現在、調査を進めておりますけれども、こういったいわゆる線量をある意味ごまかすというような操作が行われたということでございますので、そういった面で社会の皆様にご心配とご不安をかけたというふうに考えております。

 ――女性記者:今までの取材でエネシスさんの調査を待ってということでしたけれども、東電さん等で、「ごまかしていた」という事実関係はもう取れたという認識でいいんですよね。

 松本本部長代理:はい。エネシスさんから報告を受けた範囲におきましては、実際にAPDという個人線量計に鉛のカバーを取り付けたという報告があったというふうに伺っております。

 ■東京エネシス以外の現場では?

 ――女性記者:いくつか細かい点をお伺いさせてください。今回主導した会社役員がですね、きょう記者会見をしまして、「これまで何度も似たような場面があって、くぐりぬけてきたんだ」というお話をされています。これまでこの会社は何度も東電のお仕事をされています。エネシスの下ばかりではなくですね、東電の下請けとして働いてきた経緯があります。東電さんとして、アンケートで元請けさんに直接聞くのではなくて、ビルドアップが東電のどういう仕事を今までしていたのか、それについて、線量について疑義はないのかということについてですね、お調べするつもりはあるのかないのかについてお知らせ願えませんか。

 松本本部長代理:線量に関しましては、私どもも個人線量のデータを有しておりますので、名前等が判明いたしますと、線量についてあたることができますので、そういった調査は可能です。ただ、そのビルドアップさんと私どもは直接の契約関係にございませんので、基本的な調査は元請け企業さんを通してということになります。

拡大東京電力本店の定例記者会見=7月23日午後6時28分、東京都千代田区内幸町で

 ――女性記者:実際にどこの元請けで、いつビルドアップが入っているかというような把握はされているのでしょうか。

 松本本部長代理:今のところは今回の問題となっております東京エネシスさんの調査させていただいておりますけれども、ご質問にあったようなこのビルドアップさんが他にもやったということがあるのであれば、調査範囲は広げる必要があるかと思っています。

 ――女性記者:まずそれにはビルドアップが今までどこの下請けに入っているのかについて、東電さんとして、把握する必要があると思うんですが、その調査についてはもう着手なさいますか。

 松本本部長代理:今のところは、現在問題となっております東京エネシスさんに指示をしている段階でございますけれども、繰り返しになりますが、そういった他の企業さんのもとで働いていた時にもやったことがあるということであれば、対象範囲を広げる必要性はあるかと思います。

 ――女性記者:エネシスの調査を待ってではないと、自らビルドアップさんがどこを通じて、東電さんに入っていたかということを調べるつもりがないということでしょうか。

 松本本部長代理:まずは東京エネシスさんで実際にどのようなことがあったのかという事実関係をきちんと確認する必要があるかと思っています。

 ――女性記者:エネシスについてですね、エネシスは自分が頼んだところの工事についてはしっかり調査すると思うんですけれども、他の下請けに入った部分についてですね、しっかりと調査する、そういうお考えがエネシスにあるのかどうかというか、そういう必然性というか、当初そういう調査をすべきは東電さんじゃないんですか。

 松本本部長代理:私どもはいわゆる東京エネシスさんと契約をしておりまして、東京エネシスさんがまずどういう事実関係があるのかというところをまず、お伺いしたいというふうに思っております。またご質問にあったように、他の企業さんの下で働いたことがあって、そこでもこういった線量をごまかした不正をしたということが事実として確認できるようであれば、他の企業さんに対しても同様の調査を行うことになります。

 ――女性記者:他の企業の下請けでも、線量をごまかしていたか、ということについての調査をエネシスさんに丸投げするんですか?

 松本本部長代理:いえ、他の企業さん、エネシスさんは当然他の元請け企業さんがどういうビルドアップさんを使っているかどうかは知り得ない立場ですから、私どもの方から、他の元請け企業さんに対して当該のビルドアップさんが入って、そういった事実があるかどうかについて調査することになります。

 ――女性記者:そちらから主体的に、未だかつてビルドアップを使ってましたかと、で、類似事例ないですかということを調査するというとらえ方でよろしいのでしょうか。

 松本本部長代理:はい、結構ですけれども、まずは東京エネシスさんでどういった事実関係なのかということをはっきり伺った上で調査を進めたいというふうに思っています。

 ――女性記者:今のに関連しますが、現時点でビルドアップは福島第一原発に入っていますけれども、それについての対応について、いつどのようにするおつもりなのかということについてお聞かせ願えればと思うんですけれども。

 松本本部長代理:繰り返しになりますけれども、まずは事実関係をきちんと把握したうえで、どういった対応をするべきかどうかについては判断したいと思います。契約上のできること、できないことがございますので、そういったところから判断することになります。

 ■元請け29社と東電の責任者を対象にアンケート

 ――女性記者:鉛カバーについてのお話で細かい点をお願いします。元請け会社に対してアンケート形式で調査をするというお話なんですけれども、これは何社が対象で、いつ締切りで、どういう内容なのかということを教えていただけますか?

 松本本部長代理:いわゆる元請け企業さん、現在福島第一で働いている29社を対象として、実施致します。

 ――女性記者:福島第一でいいんですよね?

 松本本部長代理:はい。福島第一で働いて、現在仕事をされている企業さん29社。それから東京電力を含めますので、会社数で言うなら30社ということになるかと思います。それから期間につきましては、1か月程度のアンケート期間を考えておりまして、そちらの方で類似の事例があったかどうかということについて調査をしたいというふうに考えております。アンケートそのものにどういう質問が並んでいるかについてはまだ現物ができておりませんので、その後、確認できればお知らせできるかと思います。

 ――女性記者:いつ付けでアンケートを出されるご予定ですか?

 松本本部長代理:できるだけ早くやりたいと思っておりますので、少なくとも本日アンケートを行う旨については周知はしております。

 ――女性記者:実際にアンケートを行う時期について伺っているんですが。

 松本本部長代理:実際には8月下旬までの1ヶ月間を予定しています。

 ――女性記者:アンケートを送付、アンケートをするのは、じゃあ7月下旬?

 松本本部長代理:ああ、送付する時期ですか。

 ――女性記者:ええ。

 松本本部長代理:こちらはもう時期としてはまだ決まっておりませんけれども、時期的にできるだけ早く送付させていただければと思います。

 ――女性記者:1か月間ということは7月下旬にアンケートを投げて、1か月回答期間を設けるという認識でよろしいのですか?

 松本本部長代理:結構です。

 ――女性記者:先ほど、ビルドをかつて使ったことがあるかについても調査したいというお話をなさいましたが、この対象も今の29社になるんでしょうか。

 松本本部長代理:こちらは元請け企業さんが全部入っておりますので、その中に含まれると思いますけれども、まず、今回のアンケートのなかにはちょっと確認しないとわかりませんけど、ビルドさんを使ったかっていうのは、元請け企業さんに直接聞けば良い話ですので、アンケートについてはこういった線量計の使用についてカバーをつけるだとか、休憩所に置いてきただとか、そういった不正がなかったかってことを広く調べたいと思っています。

 ――女性記者:ビルドを使ったかどうかについての調査については、対象はどういう形になりますか。元請け会社の29社にそれぞれ聞くということですか。

 松本本部長代理:今のところ、まだ具体的なやり方までは決まっておりませんけれども、まず、東京エネシスさんでどういう調査結果が出てくるかってところを踏まえた上で、検討したいというふうに思っています。

 ――女性記者:どういう調査結果が出てくると、つまり、先ほどのまた堂々巡りになっちゃうんですが、エネシスさんはエネシスさんの今回の本件について調べてるわけで、他のところの下請けについてどうだったかっていうところまでは調べてないわけですよ。それについて調査結果を待って、他のところも皆やってるかどうか調べたいっていうのは、ちょっとおかしいと思うんですけれども。なので、主体的に東電さんが調べるべきことじゃないですか、ということを先ほど質問させていただいて、調査をするというふうにおっしゃったので、今こうして質問をしているんですが。

 松本本部長代理:はい、当然、あのエネシスさんからどういう調査結果が出てくるかについては、まだ分かりませんけれども、その中で他の企業さんでもやったよというような形跡が認められれば、もちろんしますし、まあ、他の企業さんでもあり得るって話が今後私どもの中で伝わってくればよく調べる必要があろうかと思っています。今のところ、各元請け企業さんに対して、ビルドアップさんが、今の時点で調査するかということに、ご質問に答えるとすれば、今についてはまだ未定ということでお答えした次第です。

 ――女性記者:調査する、つまり、弊紙の報道ではですね、その今回の会社の役員がこれまでも繰り返しやっていたようなことを言っているテープを我々は入手してるわけですよ。それも報じさせて頂いたんですけれども、それについてですね、あの今他にもそういう話が伝わって来れば調べたいと言いましたけれども、つまり弊紙を読んでいないということなのか、それとも弊紙の報道がウソだと思っているのか、それとも弊紙の報道は取るに足らないと思っているのか、どれですか。

 松本本部長代理:報道機関さんの報道について私どもコメントする立場ではございませんけれども、私どもとして事実関係をきちんと把握させていただいた上で調査をしたいというふうに思っています。

 ――女性記者:事実関係の把握というのは、でも、エネシスさんにやってもらうということですよね。

 松本本部長代理:まず、第一にはエネシスさんから報告をうかがいたいというふうに思っています。

 ――女性記者:エネシスの方で、他にやっていたかどうかを聞いて、それによって他社に対して調べるということですか。あくまでエネシスの調査を待つということの姿勢は変わらない訳ですね。

 松本本部長代理:繰り返し申し上げますけれども、まずエネシスさんでどういった事が行われたかという事実関係をきちんと把握する必要があろうかと思っています。当然、ご指摘にあったようにエネシスが他の元請け企業さんに調査の範囲が多い訳ではありませんので、そこから先については東京電力自身の判断として他の元請け企業さんに対して、このビルドアップ社さんが実際にやったことがあるかっていうことについては調査を段階的に進めていくことと思っています。

 ――女性記者:調査は他のところもしたいという意向はあるということで宜しいでしょうか。

 松本本部長代理:それは結構です。

 ――女性記者:先ほど、質疑応答の中でですね、ヒアリングについておっしゃっていただいて、4人についてヒアリングしているっていうお話だったんですけれども、ヒアリングしているのはエネシスさんっていうことで良いんですよね。

 松本本部長代理:はい、結構です。

 ――女性記者:そちらとしては、直接的に聞いてるわけではないんですよね。

 松本本部長代理:はい。

 ――女性記者:ごめんなさい、それでエネシスさんの話ばかりではなくて、東電さんのお話で、今回ビルドとの関連についてお伺いします。サーベイについて今回の会社役員がお話ししています。サーベイについてですね、服を破けていないかどうかについても、サーベイで調べることになってるわけですけど、今回見つかるかどうかヒヤヒヤしというふうにお話をしているわけです。12月1日のサーベイでですね、実際に不審な点が報告されてるかどうかについて、東電さんで調べてますでしょうか。

 松本本部長代理:いわゆるAPDを貸し出すのは今回のケースで言いますと、東京エネシスさんの放射線管理員がAPDを作業前に貸し出して、作業が終わってきたら東京エネシスさんの放射線管理員が回収するという仕事の仕組みになっています。従いまして、いわゆる返ってきた後の身体汚染があるかないかっていう作業をするのは東京エネシスさんの管理員、あるいは線量のチェックをするのはそこの会社さんの放射線管理になりますので、東京電力自身がビルドアップ社さんの作業員の方が戻られてきた際のサーベイを確認しているわけではありません。

 ――女性記者:分かりました。今回、鉛カバーを捨てた場所について、東電が管理する1F(=福島第一原発)敷地内のゴミ箱に捨てたということを役員が言ってます。また、別の作業員はですね、草むらに捨てたというふうに言ってるんですけれども、いずれも東電さんの管轄敷地内なわけですよ。これについて、探したりするお考えは今のところあるんでしょうか。

 松本本部長代理:今のところ、私ども自身が探すという行為については、まだ、労働基準監督署さんのご指導等もありますので、やっておりません。こちらに関しましては、労働基準監督署さんの調査が入っておりますので、そちらの方で調べられるのではないかと思っています。

 ――女性記者:東電さんとしては、それに協力するという立場になるわけ、自ら探すわけじゃなくて、労基が調査するのに協力するという立場になるわけですかね。

 松本本部長代理:はい、そうです。よろしいでしょうか。

 ――女性記者:あと2問くらいあるんですけれども。

 松本本部長代理:はい、どうぞ。

 ――女性記者:今、先ほども質問させていただいたんですけれども、現在ビルドアップ社が第一原発入っています。これはエネシスの下ではありません。で、エネシスの調査結果を待って、契約をどうするかについて判断したいというお答えでしたけれども、エネシスがどういう結果を出したら、どうするっていう事なんでしょうか。

 松本本部長代理:まだ、仮定のお話にはお答えしかねますけれども、事実関係がどういったことになったのか、あるのかについて、それを見た上で判断したいというふうに思っています。

 ――女性記者:事実関係について、先ほど質問させていただきましたが、既に鉛カバーをつけたこと、線量の低減を図ったことについて、線量の捏造を図ったについてですね、それについてはエネシスさんからご報告を受けて分かっているんですよね。それでこれ以上、何が分かればどうするんですか。

 松本本部長代理:まずは14人の方々のヒアリング結果をまず待っているところでございます。作業の責任者の方は5名に対して、鉛のカバーをつけるように指示したっていう証言をして、ヒアリング結果としてはしておりますし、あの今回4名の方のヒアリングが終わっておりますけれども、うち2名の方はつけたというふうにおっしゃってますけれども、残り2名の方はつけてないっていうふうに言っています。従いまして、事実関係として、まずは何人の方がそういったことをやったのか、あるいは動機は何だったのか、それから会社としての関与はどうだったのかってなことを、きちんとまとめた上で、どういった対応をするかについては判断する必要があろうかと思っています。

 ――女性記者:エネシスさんについては、締め切りはいつというふうに言っているんですか。

 松本本部長代理:今のところできるだけ早く調査をするように、終わらせるようにっていうふうに告げてありますけれども、先ほど申し上げた通り、残りの10名の方のヒアリングには少し時間がかかるっていう話を伺っておりますので、その辺のところはよく調整しながら進めたいというふうには思っています。

 ――女性記者:Twitterのなかでですね、本日の会見とともに幾つかツイートをされているわけですけれども、その中で線量値の再評価についてエネシスさんに求めたいというお話をされています。この線量値の再評価について、ちょっと分かりやすく教えていただけますか。

 松本本部長代理:はい、いわゆる今回、個人線量計っていうAPDっていう銀色の四角い箱のようなもので日々の線量管理を行っております。そちらの方に、鉛カバーをつけたっていうふうに聞いておりますけれども、実際にはそういった日々の管理をするための線量計と、もうひとつは積算線量計という形で月単位で被曝線量を評価するガラスバッチというものがあります。こちらの方が、まあ、日々というわけでは、月単位でですね、このガラスバッチは回収してですね、その一カ月分の被曝線量はいくつだったのかっていうことを分かるものになりますので、日々のAPDの足し算の値と、ガラスバッチで月単位で出てくる値の差があるのか、ないのかっていうようなところをよく見たいというふうに思っています。今のところ、ヒアリングのなかでは、こちらガラスバッチの方に鉛のカバーをつけたということは聞いていないってことだそうです。

 ――女性記者:差異についてですね、エネシスさんの方で計算は終わってまして、出てるんですけど、そちらにまだ報告がないっていうことなんでしょうか。それとも、この数字について、また更に精査を求めていくということなんでしょうか。

 松本本部長代理:数値自体は、私ども、まだ持っておりませんけれども、エネシスさんの方からはAPD、日々の足し算の結果とガラスバッジの結果に著しい差はなかったっていうふうに聞いています。残りの、残りと言いますかこの10人の方々への被曝線量について全体を把握したいというふうに思っています。

 ――女性記者:最後なんですけれども、また一番初めの質問に戻るんですが、お詫びする相手というのはどなたになるんですか。「ご心配をおかけしましたことをお詫び申し上げます」……

 松本本部長代理:私どもが今回お詫びしたいのは社会の皆さまにこういった、不正と言いますか、ごまかしがあったってことで、ご心配、ご不安をかけたってことでお詫びさせていただいております。

 ――女性記者:発注者責任というものについては、今回はそのお詫びの中に含まれてないんですか。

 松本本部長代理:発注者としてどこまで責任があるのかにつきましては、やはり先ほど申し上げた通り、今回のカバーをつけたっていう経緯がどういうふうな形で行われて、どういうふうな結果になっているのかっていう事実関係の確認をきちんとした上で、わたくしどもとしてどういう責任があるかについては確認したいっていうふうに思っています。

 ――女性記者:あらためて、ご見解をいくつかの段階で示していただけるということですね。

 松本本部長代理:今のところは、まだ、事実関係をきちんと把握した上で発注者として、どういう責任があったのかについては未確認の状況です。

 ――女性記者:いずれにしても、発注者としてのコメントをいつかいただけるということでよろしいですか。

 松本本部長代理:それは結構です。

 ――女性記者:はい、わかりました。

 ■国会事故調の従業員アンケート

 ――男性記者:朝日新聞の奥山と申します。国会事故調の参考資料の中で従業員の方にアンケートをした結果が載っているのはご覧になったかと思うんですけれども、その中で元請け・下請けの作業員の方の声として、線量が上がって、累積の線量が上がってくると、仕事がなくなってしまうと。基準を超えてしまうと、一定の管理値を超えると、職を追われてしまうと。東電や元請けの正社員でしたらどこか他の場所で仕事を引き続きするということができるんでしょうけれども、特に地元出身の、正社員ではない下請けの作業員の方なんかは線量が上がると職そのものを失ってしまうと。それは非常に困るんだと。という声がいくつか紹介されていました。で、そういう状況がその線量をごまかしてしまおうというインセンティブとして働いているんだろうと思うんですけれども、それについて発注者である東京電力として、そういう状況を何か改善するとかそういうお考えはないのでしょうか? あるいはそういう状況を放置しておくことそのものが倫理にもとるといいますか、企業倫理上まずいのではないかという考え方にはならないのでしょうか。という質問です。

 松本本部長代理:こちらの質問に関しましては、今回のビルドアップ社さんの作業責任者の方、あるいは作業員の方がですね、どういう動機あるいは指示に従って鉛カバーをつけることになったのか、あるいは着けてもいいと自分が判断したのか、というところについて、よく伺わないと、私どもとしては軽率にどうだったかというところについては言えないと思います。ただ、昨年の4月頃の話で似たようなことがございまして、当時私どもの事故時の被ばく線量250ミリシーベルトで、50とか100を超えていらっしゃる方がですね、他の発電所で働けなくなるという、通常時被ばくで管理されている他の発電所で働けなくなるということに対しまして、私どもも危惧しておりまして、厚生労働省さんのほうと少しお話し合いをさせていただことがありますけれども、そういう面では作業員の被ばく管理上250と、通常被ばくは別々には考えないということで一定の結論を得ておりますので、それに従って作業管理、被曝管理をやっているという状況です。

 ■政府事故調の報告書について

 ――男性記者:国会事故調の中に取り上げられている下請け作業員の声については特に何らかのコメントをしていただくことはできないでしょうか。

 松本本部長代理:そういった声があるということは私どもとしてもアンケートの結果として把握しておりますけれども、今の段階で何かアンケートの結果についてコメントをするですとか、何か対応をするというようなことについてはまだ未定です。

 ――男性記者:きょう出ました政府事故調の報告書、これから読むということだと思うんですが、2つだけちょっとお尋ねできたらと思うんです。もし反論があれば聞かせていただきたいと思うんですけれども、一つは東京電力の今回の事故初期の対応について「自ら考えて事態に臨むという姿勢が十分ではなく、柔軟かつ積極的な思考に欠ける点があったと言わざるを得ない。そういう資質を養う教育・訓練を行っていなかったことに問題があった」という指摘が出ているんですけれども、それについてはいかがでしょうか。

 松本本部長代理:はい。繰り返しになりますけれども、そういったご指摘をされる根拠が、どういった形で報告書上記載されているかについてよく確認した上で、ご回答差し上げたいと思いますけれども、まあ私どもとしては、事故の対応にあたっては、当時採り得るベストを尽くしたというふうには思っております。

 ――男性記者:もう一点だけ。やはり政府事故調の指摘としてですね、「東京電力は、事故から1年以上が経過した現時点においてもなお、事故原因について徹底的に解明して再発防止に役立てようとする姿勢が十分とは言えない」というふうに言っていて、その根拠として、MAAPの解析の前提条件が現実とかけ離れているとか、いくつか指摘が本文では出ているんですけれども、そういう「調査に熱意が足りない」と言われていることについてはいかがでしょうか。ご反論はありますでしょうか。

 松本本部長代理:熱意がどうだったのかというところについては、政府事故調さんのご見解だと思いますけれども、東京電力といたしましては、事故の原因究明にあたりましては、必要な人員リソースをかけて、これまで調べてきたつもりです。まあ、MAAPの例が挙げられておりますけれども、私どもとしてはMAAPの前提条件については出来るだけ現場で測定できているデータですとか、あるいは実際にやった操作、消防車の注水量等を踏まえて、インプット条件にしておりますので、それをもとに解析した結果は報告させていただいた通りです。したがって、MAAPの入り口のところのデータが少しずれれば、当然結果としてもずれるわけで、それは保安院さんがやられたメルコア解析結果と、私どものMAAPの解析結果でも炉心損傷の時間が数時間違うというのは見られておりますので、そういったところは今後解析コードの精緻化という意味では必要であろうというふうに思っております。

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