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ニューズ&コメンタリー

米海軍原子力空母の乗員らが東電を提訴「放射能リスク警告怠った」

奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 東日本大震災が発生した直後に東北沖の洋上で米海軍の原子力空母ロナルド・レーガンに乗っていて、東京電力福島第一原子力発電所から出た放射性物質で放射線に被曝したとして、乗員だった8人と、震災後に乗員の一人を母として生まれた1歳児が21日、東京電力を相手取って損害賠償を求める訴訟をカリフォルニア州南部地区の米連邦裁判所に起こした。

  ▽筆者:奥山俊宏

  ▽関連資料:東京電力に関連する記事

  ▽関連資料:カリフォルニア州南部地区の米連邦裁判所に提出された訴状

拡大米空母ロナルド・レーガンで、缶詰、冷凍野菜などの救援物資をヘリコプターに積み込む乗組員=2011年3月22日午前6時56分、三陸沖

 東日本大震災は2011年3月11日に発生。福島第一原発の3つの原子炉が次々と冷却不能に陥り、3月12日以降、大量の放射性物質が外部に放出され、風下に流れていった。当時の報道によると、空母ロナルド・レーガン(満載排水量10万2千トン)は米韓合同の野外機動演習「フォール・イーグル」に参加する予定だったが、震災の発生を受けて、東北沖に向かった。13日朝までに到着し、非常用缶詰の輸送など「トモダチ作戦」に従事した。しかし、放射性物質が検出され、風下から逃れて行動しなければならなかった。

 訴状によれば、東京電力は、福島第一原発の本当の状態について、間違っていたり、誤解させたりする情報が米海軍省を含む外部の人々に広まるのを故意または怠慢によって容認。トモダチ作戦に従事する原告らを含む要員の被曝リスクに関して警告を与えず、その結果、被曝のリスクを増大させた、とされている。

 「東電と日本政府は、広報の内容が不完全で事実に反していたことを知りながら、大きなリスクを開示するのを避け、東電と日本政府の利益のた

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奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 朝日新聞編集委員。
 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部などを経て特別報道部。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。
 著書に『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、 『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)。共著に『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)など。
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