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ニューズ&コメンタリー

オリンパス粉飾決算事件で元社長らに執行猶予判決

奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 大手精密機器メーカー「オリンパス」の決算を粉飾したとして同社の菊川剛・元社長(72)らが金融商品取引法違反(有価証券報告書虚偽記載)の罪に問われた事件の判決公判が3日、東京地裁刑事第104号法廷で開かれ、齊藤啓昭裁判長は菊川元社長に懲役3年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。求刑は懲役5年だったが、その6割まで軽減して、元副社長の山田秀雄被告(68)と同等の量刑とした。齊藤裁判長は「実刑に処することも考えられる」としつつ、「なお躊躇がある」として「今回に限り、最長期間の執行猶予を付することにした」と述べた。


東京地裁に入るオリンパス元社長の菊川剛被告(中央)=3日午後1時19分、東京・霞が関、関田航撮影拡大東京地裁に入るオリンパス元社長の菊川剛被告(中央)=3日午後1時19分、東京・霞が関、関田航撮影
 午後1時19分、4人の弁護人に周りを守られるように囲まれて、菊川被告が裁判所の敷地に入ってくる。黒縁のメガネ。ワイシャツの上に薄黄色のネクタイ。やや明るいグレーのスーツに身を包み、胸ポケットには白いハンカチーフをさしている。報道カメラマンたちの前を通って、玄関から裁判所に入っていく。午後1時22分、法廷脇の控室に入る。

 傍聴席は、抽選で傍聴券を引き当てた人たちや報道記者たちで満席となっている。最前列の右端にはオリンパスの小暮俊雄コーポレートサービス本部長。3列目の中央付近には、疑惑を告発したマイケル・ウッドフォード元オリンパス社長の補佐役を務めた和空ミラー氏がいる。弁護人の席には13人。検察官の席には3人。午後1時26分、齊藤裁判長ら裁判官3人が入ってくると、全員、起立して礼をする。テレビカメラによる廷内の撮影がしばしある。

 午後1時29分、法廷の右脇のドアから、オリンパスの現社長である笹宏行氏がスタスタと入ってくる。それに続いて、元社長の菊川剛被告。元副社長の山田秀雄被告と森久志被告(56)はそれぞれ法廷に入ったところで立ち止まり、一礼した上で弁護人席の前にある被告人席に向かう。

 被告人席の前には長テーブルがある。テーブルと椅子の間に身体を押し入れるようにして、菊川被告が席につく。その左隣に笹社長。山田被告には座布団が用意されている。その右隣に森被告。被告人たちが席に座り終えると、齊藤裁判長は「時間になりましたので、開廷することにします」と言う。そして、「それではきょうは判決の宣告ということになります」と言う。そこで一瞬、裁判長は考え込むようなそぶりを見せ、その後、被告人席の4人に「ちょっと狭いので、そのまま聞いててください」と言う。

 ふつうならば、被告人全員を裁判官の正面に横一列に並んで立たせた上で、判決主文を読み上げる。ところが、裁判官から見れ

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奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 朝日新聞編集委員。
 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部などを経て特別報道部。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。
 著書に『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)。共著に『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)など。
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