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ニューズ&コメンタリー

オリンパスが米司法省捜査で156億円の特別損失を追加

奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 大手精密機器メーカーのオリンパスは2月5日、米国での医療事業をめぐる医者への支払いなどについて米司法省の調査を受けている問題で、新たに156億円の特別損失を計上したと発表した。昨年5月に発表した539億円とあわせ、この問題での特別損失は695億円(6億1800万ドル)に膨らんだ。同社は「米司法省との協議を継続しておりますが、現時点における進捗状況等に鑑み」たと追加の理由を説明している。このほかに、ブラジルの医者に賄賂を贈ったとされる疑惑でも別の容疑で米司法省の捜査を受けており、これについても今期これまでに27億7700万円の特別損失を計上した。

 米司法省の捜査で罰金など制裁を課せられるのに備えてオリンパスが昨年から特別損失を計上している事件は二つある。一つは、米国内の医者への利益提供について米国の公的医療保険への不正請求とみなされ、反キックバック法、虚偽請求取締法への違反を疑われている事件。もう一つは、ブラジルの医者への利益提供について米国の海外腐敗行為防止法(FCPA)への違反を疑われている事件。罪名は異なるが、医者への利益提供を罪に問われている点で共通する。オリンパスは、内視鏡など医療用の機器を世界各国で販売しており、医者は同社にとって直接の顧客にあたる。

 2月5日に同社から発表された第3四半期末(昨年12月末時点)の貸借対照表によると(注1)、オリンパスはこれらの事件で将来の罰金などの支払いに備え、「米国反キックバック法等関連引当金」として773億100万円(1ドル120円60銭で換算して約6億4100万ドル)を流動負債に計上している。関係者によると、米国内の案件で約745億円(約6億1800万ドル)、ブラジルの案件で約27億6千万円(約2300万ドル)という内訳になっているという。

 これまでにオリンパスが公表してきた四半期決算や同社の説明によると、損益計算書では、これら引当金に見合う特別損失として、

 米国内の事件で

 昨年1~3月に   538億6600万円(1ドル109円93銭で換算して4億9千万ドル)(注2)
 昨年10~12月に 155億9千万円(1ドル121円70銭で換算して1億2810万ドル)(注3)
 合計          694億5600万円(6億1810万ドル)

 

 ブラジルの

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奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 朝日新聞編集委員。
 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部などを経て特別報道部。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。
 著書に『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)。共著に『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)など。
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