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オリンパス判決「社長の指示は絶対」の取締役が社長を監視できるか

[全文]オリンパス元社長に588億円の支払いを命じた2017年4月27日の東京地裁判決

口頭弁論終結日 平成29年1月26日

判 決

 当事者の表示 別紙1「当事者目録」記載のとおり。

主 文

 1 被告菊川、被告山田、被告森及び被告中塚は、会社原告に対し、連帯して、1000万円、及びこれに対する、被告菊川については平成24年2月2日から、被告山田については同年1月30日から、被告森については同月29日から、被告中塚については同月28日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 2 被告菊川、被告山田及び被告森は、会社原告に対し、連帯して、546億8385万7848円、及び内金10億円に対する、被告菊川については平成24年2月2日から、被告山田については同年1月30日から、被告森については同月29日から、内金536億8385万7848円に対する同年2月2日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 3 被告菊川、被告山田及び被告森は、会社原告に対し、連帯して、39億9211万1088円、及び内金1億円に対する、被告菊川については平成24年2月2日から、被告山田については同年1月30日から、被告森については同月29日から、内金38億9211万1088円に対する同年2月2日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

 4 被告○子は、会社原告に対し、被告岸本、被告菊川、被告山田及び被告森と連帯して、5000万円及びこれに対する平成26年7月2日から支払済みまで年5分の割合による金員(ただし、1986万円及びこれに対する同月3日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で被告中塚と連帯して)を、被告○子が亡下山敏郎より相続した財産の存する限度において支払え。

 5 被告○郎及び被告○男は、それぞれ、会社原告に対し、被告岸本、被告菊川、被告山田及び被告森と連帯して、2500万円及びこれに対する平成26年7月2日から支払済みまで年5分の割合による金員(ただし、1986万円及びこれに対する同月3日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で被告中塚と連帯して)を、被告○郎及び被告○男が亡下山敏郎より相続した財産の存する限度において支払え。

 6 被告岸本、被告菊川、被告山田及び被告森は、会社原告に対し、連帯して、1億円及びこれに対する、被告岸本、被告菊川及び被告森については平成26年7月2日から、被告山田については同月4日から、それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員(ただし、5000万円及びこれに対する同月2日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で被告○子と連帯して、2500万円及びこれに対する同日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で被告○郎及び被告○男とそれぞれ連帯して、1986万円及びこれに対する同月3日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で被告中塚と連帯して)を支払え。

 7 被告中塚は、会社原告に対し、被告○子、被告○郎、被告○男、被告岸本、被告菊川及び被告森と連帯して、1986万円及びこれに対する平成26年7月3日から支払済みまで年5分の割合による金員(ただし、1986万円及びこれに対する同月4日から支払済みまで年5分の割合による金員の限度で被告山田と連帯して)を支払え。

 8 会社原告の第1事件に係るその余の請求並びに株主原告の第4事件に係るその余の請求及び第2事件に係る請求をいずれも棄却する。

 9 訴訟費用は、第1事件及び第4事件について生じた部分は、これを30分し、その4を会社原告の、その5を株主原告の、その3を被告○子、被告○郎及び被告○男の、その2を被告岸本の、その15を被告菊川、被告山田及び被告森の、その1を被告中塚のそれぞれ負担とし、第2事件について生じた部分は、これを全部株主原告の負担とする。

 10 この判決は、第1項から第7項までに限り、仮に執行することができる。

事実及び理由

 第1 請求

 別紙2「請求の趣旨目録」記載のとおり。

 第2 事案の概要

 1(1)第1事件及び第4事件

 ア 別紙2「請求の趣旨目録」第1の1及び同第3の1に係る請求(以下「第1類型(金利・運用手数料関係)」という。)

 第1類型(金利・運用手数料関係)は、会社原告が、金融資産の巨額の含み損の計上を回避する目的で、当該金融資産を買い取らせることを主たる目的とするファンド(以下「受け皿ファンド」という。)や受け皿ファンドに資金を注入するために利用されるファンド(以下「通過用ファンド」といい、受け皿ファンドと併せて「受け皿ファンド等」という。受け皿ファンド等を構成するファンドは、別紙3「ファンド等一覧」記載のとおりである。)に資金を供給し、含み損を抱えていた金融資産を簿価で買い取らせるなどして、会社原告から損失を分離するスキーム(以下「損失分離スキーム」という。)を構築し、これを維持し続けたことにより、銀行に対する支払金利(以下「本件金利」という。)及びファンド運用手数料等(以下「本件ファンド運用手数料等」という。)の損害(本件金利29億3711万2411円、本件ファンド運用手数料等78億8972万9208円)を被ったところ、承継前被告下山敏郎(以下「承継前被告下山」という。)、被告岸本、被告菊川、被告山田及び被告森は、これを了承(黙認)し、又は中止のための措置若しくは是正措置を何ら採らなかったと主張して、会社法423条に基づき、同被告ら(承継前被告下山については、同人を相続した被告○子、被告○郎及び被告○男(以下、これらの相続人3名を総称して「被告下山ら」という。)を含む。以下「第2 事案の概要」において同じ。)に対し、連帯して(ただし、被告下山らについては、各相続分の限度での連帯。以下「第2 事案の概要」において同じ。)、上記損害の一部として、別紙2「請求の趣旨目録」第1の1記載の金額の支払を求めるとともに、共同訴訟参加した株主原告が、上記損害の全部として、同目録第3の1記載の金額を会社原告に対して支払うよう求めた事案である。なお、同目録第1の1及び同第3の1の各(1)ないし(3)の区分は、被告山田及び被告森の取締役就任時点で区切った3つの期間(①平成13年4月から平成15年6月まで、②同年7月から平成18年6月まで、③同年7月から平成23年3月まで)に対応するものである。

 イ 別紙2「請求の趣旨目録」第1の2及び同第3の2に係る請求(以下「第2類型(ITX株式運用損関係)」という。)

 第2類型(ITX株式運用損関係)は、会社原告が、損失分離スキームが維持された状態で、受け皿ファンド等であるITVをして、注入された余剰金を用いてITX株式会社(以下「ITX」という。)の株式取得を用いた新たな資金運用をさせたことに

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