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深掘り

前首相・鳩山由紀夫の「政治とカネ」

残る疑問に説明ないまま首相就任 鳩山代表の虚偽献金問題

松田 史朗(まつだ・しろう)

 鳩山由紀夫首相は16日の会見で、自らの資金管理団体で発覚した虚偽献金問題について、「できるだけ正確に、正直にお伝えして理解を深めてもらうよう努力する」と語った。しかし、いまだ多くの疑問が残ったままだ。鳩山氏と秘書2人はすでに政治資金規正法違反(虚偽記載)容疑で東京地検に告発されており、捜査の行方が新政権を揺さぶる可能性もある。

(松田史朗、冨名腰隆)

 会見で、鳩山氏は「国民のみなさまにご理解いただいていないのは事実だと思う。もっと説明を尽くす努力はしていきたい」と強調した。

 朝日新聞の報道で疑惑が発覚した約半月後の6月30日の記者会見で、鳩山氏は「説明責任を果たす」としたが、その後、この問題で十分にメディアの取材に応じていない。朝日新聞は再三にわたって鳩山氏の事務所や担当弁護士に疑問点について問い合わせているが、「必要な時は回答する」などとするだけだ。

 ●なぜこれほどの偽装が必要だったのか

 政治資金規正法は、政治団体が毎年提出する政治資金収支報告書に、5万円を超える個人献金者の名前や住所を記すよう定めている。

 ところが鳩山氏の資金管理団体「友愛政経懇話会」の収支報告書には、既に死亡している人、献金した覚えのない人ら多数が名を連ねていた。

 虚偽記載は05年からの4年間だけで、延べ193人、2177万円分。鳩山氏は収支報告書を修正、05年から07年の3年間で延べ184人の献金者が47人に減った。

 鳩山氏はこれまで「すべて会計実務担当秘書の独断」としたうえで、「預けていた私の普通預金のお金を献金と装って移し替えた」と説明。報告書から削除した個人献金の総額を鳩山氏からの貸付金として新たに計上した。

 虚偽記載は刑事罰の対象。鳩山氏が秘書の行為を知っていれば、共犯にもなりうる。

 偽装の理由について、鳩山氏は当初「私の個人献金があまりに少ないから、(秘書が)大変だと思ったのだろう」と話したが、個人献金の突出ぶりが報道されると「企業献金がなかなか集まらない焦りでは」と修正した。

 これは事実の確認ではなく、秘書の説明を明らかにしたものでもない。「推測」を語ったにすぎない。

 ●匿名献金

 鳩山氏は、膨大な5万円以下の「匿名献金」についてもまったく説明していない。名前や住所の記載がある5万円超に対し、年間5万円以下は総額だけを記載すればよい。この匿名献金が03~07年の5年間で2億3千万円あり、個人献金全体の6割を占める。年平均で4600万円は他の政治家を圧倒する。

 ●原資は

 疑惑の焦点は原資だ。虚偽献金について

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松田 史朗(まつだ・しろう)

 1964年生まれ。信州大学を卒業する前後から、さまざまなアルバイトを転々とする。
 「重化学工業通信社」を経て、「週刊ポスト」「週刊文春」の特派契約記者、フリーライターなどを経て、2003年秋、朝日新聞に入社。政治部、社会部、特別報道チーム、文化グループ、経済部などを経て特別報道部。
 「週刊ポスト」時代に永田町の取材を始め、政界の汚職事件も担当。田中真紀子衆院議員の秘書給与疑惑(2002年)や日本スケート連盟汚職(2006年)、偽装請負問題(2006年)、鳩山首相故人献金問題(2009年)などを取材。
 著書に、名古屋の中学生5000万円恐喝事件の加害者の両親の手記をまとめた『息子が、なぜ』(2001年、文藝春秋、構成・まとめ)、『田中真紀子研究』(2002年、幻冬舎)。共著に『偽装請負』(2007年、朝日新聞社)がある。

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