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深掘り

検証・医療事故

診療報酬不正請求で院長に実刑判決、症状の捏造も

山本病院事件(5) 2009年6月~2011年9月

出河 雅彦(いでがわ・まさひこ)

 実際にはやっていない治療を実施したと偽って、生活保護を受けている患者の医療費を不正に請求する。がんでない患者をがんと誤診して、執刀経験のない肝臓の切除手術に踏みきり患者を死亡させる――。「医療犯罪」と形容するしかない事件が奈良県の民間病院で起きた。診療報酬の不正請求に関しては詐欺罪、患者死亡事故については業務上過失致死罪で起訴された元院長は、それぞれの事件でいずれも実刑判決を受け、厚生労働省から医師免許取り消しの行政処分を受けた。社会的に弱い立場にある生活保護受給者を主たるターゲットに、公費で賄われる医療費を病院経営のために食い物にするという、医療機関を舞台にした犯罪としては史上まれに見る悪質な事件であった。病院を経営していた元院長が大阪大学医学部卒の「エリート医師」であったことから、社会的にも注目された。入院してくる生活保護受給者に片っ端から心臓カテーテル検査やカテーテル治療を実施するこの元院長の過剰診療やでたらめな医療を告発する匿名の情報は、実は病院開設当初から奈良県に寄せられていた。しかし、「医師の裁量権」の壁に阻まれた県は不正を摘発することができず、最後は、実態の解明と責任の追及に警察の力を借りるしかなかった。事件は、医療行政にも大きな課題を残した。医療の名の下に行われた数々の不正行為はなぜ長期間にわたって放置されたのだろうか。
  「山本病院事件(1) 1997~1999年」、「山本病院事件(2) 1999~2004年」、「山本病院事件(3) 2004年9月~2007年9月」、 「山本病院事件(4) 2007年9月~2009年6月」に続く今回の本稿「山本病院事件(5) 2009年6月~2011年9月」では診療報酬詐欺容疑での捜査とその結果を紹介する。。

 県警が強制捜査に乗り出す

拡大山本病院の家宅捜索に入る奈良県警の捜査員ら=2009年6月21日、大和郡山市
 奈良県警捜査2課は2009年6月21日、診療報酬を不正受給した詐欺容疑で山本病院や山本医師の自宅を家宅捜索し、山本医師と病院事務長の事情聴取を始めた。県警は7月1日に2人を詐欺容疑で逮捕し、同月9日には冠動脈治療に使うカテーテルを山本病院に納入していた大阪市の医療機器販売会社社長も山本医師らの不正請求を知りながらカテーテルを販売していた詐欺容疑で逮捕した。

 奈良地検は7月21日に山本医師と病院事務長を、同月24日に医療機器販売会社社長を詐欺罪で奈良地裁に起訴した。起訴内容は、診療報酬をだまし取るために、心臓に血液を送る冠動脈に入れるステント(血管が狭くなっている部分を広げるための治療に使われるチューブ状の金属製医療器具)を実際には留置していないのに、留置したとする虚偽のレセプトを作成して社会保険診療報酬支払基金に提出し、診療報酬をだまし取ったというもので、その後の追起訴分も含めると、不正受給額は患者8人で総額835万円余に達した。

拡大検察側の冒頭陳述を聞く山本文夫医師=2009年9月17日午後、奈良地裁、絵と構成・岩崎絵里
 3人はいずれも起訴内容を認めた。奈良地裁は2009年11月30日、医療機器販売会社社長(判決時は前社長)に懲役3年執行猶予5年(求刑懲役3年)、同年12月17日に病院事務長(判決時は前事務長)に懲役2年6カ月執行猶予5年(求刑懲役2年6カ月)の有罪判決を言い渡し、いずれも確定した。

 山本医師の判決公判は翌2010年1月13日に開かれ、奈良地裁は懲役2年6カ月(求刑懲役4年)の実刑判決を言い渡した。山本医師の犯罪事実として認定されたのは次の4つであった。

  1.  2005年1月15日ころから2007年3月5日ころまでの間、5人の患者に5回にわたりステントを留置した、とする虚偽のレセプトを作成、提出し、486万7550円の診療報酬を詐取した。
  2.  2005年6月28日ころから同年7月14日ころの間、1人の患者に2回にわたりステントを留置した、とする虚偽のレセプトを作成、提出し、176万3790円の診療報酬を詐取した。
  3.  2005年9月12日ころ1人の患者にステントを留置した、とする虚偽のレセプトを作成、提出し、91万7960円の診療報酬を詐取した。
  4.  2006年11月28日ころ1人の患者にステントを留置した、とする虚偽のレセプトを作成、提出し、80万8330円の診療報酬を詐取した。

 裁判官は実刑判決の理由について次のように述べた。

 被告人(山本医師)が主導して、偽装記録されたカルテや関係書類をもとに院内で診療報酬請求書が作成され、不正請求が繰り返された。全額公費負担となる生活保護受給者の診療報酬システムを悪用して、病院内で巧妙に繰り返し行われた悪質な詐欺事犯である。被告人は病院運営の安定化のため、収入源である診療報酬の不正請求を常習的に繰り返した。赤字解消を迫られていたというが、医療の本分を蔑ろにする犯行が正当化されるものではなく、動機に酌むべき点はない。地域医療の拠点となるべき病院内で医師が主導してこのような犯行が繰り返されたことは、医療に対する不信を生じさせかねず、その社会的影響は大きい。悪質な診療報酬詐欺の犯行を主導し、これを常習的に繰り返した被告人の刑事責任は重い。すでに被害弁償をしたことや、共犯者との刑の均衡など、酌むべき事情を最大限考慮しても、被告人の刑の執行を猶予することは相当ではない。

 山本医師は刑が重すぎるとして控訴、上告したが、最終的に最高裁が2010年9月7日付で上告を棄却し、懲役2年6カ月の実刑判決が確定した。

 詐欺罪での実刑判決確定から約1年が経った2011年9月29日、厚生労働省は山本医師の医師免許を取り消す行政処分(処分の発効は2011年10月13日)を決定し、公表した。

 警察が捜査し、厚生労働省の行政処分の根拠ともなった診療報酬詐欺の中身は、「実際には行っていない治療を行ったように偽装して診療報酬を不正請求した」というものである。レセプトで冠動脈へのステント留置を行ったと記載されている患者の体内にステントが留置されていなければ、レセプトの記載は虚偽とわかる。警察は山本病院に入院したことがある生活保護受給者の同意を得て、改めて冠動脈の画像を撮影させてもらい、ステントが留置されていないことを確認したとされる。

 警察は明らかに詐欺と証明できるものに絞って立件したわけだが、先に紹介した内部告発にあるように、山本病院では生活保護受給者の多くに心臓カテーテル検査やステント留置を行っていた。それらの中には実際には心臓の病気とは言えない患者も含まれており、診療報酬の算定基準を満たさないものも多数含まれていたことが、警察の強制捜査後に設置された県の調査・再発防止委員会の調査などによって判明する。

 奈良県の調査・再発防止委員会の調査

 次に、県の調査・再発防止委員会の活動について詳しくみていくことにしよう。

 同委員会が設置されたのは、山本医師と病院事務長が詐欺罪で起訴された8日後の2009年7月29日であった。委員には社会保険診療報酬支払基金、近畿厚生局、奈良県内の保健所・福祉事務所の各担当者や、大阪市の生活保護担当者らが選ばれた。委員長には総務省地方財政審議会委員で財政学が専門の木村陽子氏、副委員長には堀正二・大阪府立成人病センター総長がそれぞれ任命された。

 委員会は計4回開催され、山本医師の詐欺事件の公判が続いていた同年12月に報告書をまとめた。

 委員会は山本病院での「生活保護制度の不適正利用と過剰診療の実態」を調べるため、同病院から提出を受けた生活保護入院患者リストに基づき、2008年度中に同病院に入院歴があった生活保護患者437人について、住所、性別、年齢、同じ期間中に入院していたすべての医療機関名と入院期間などについて、各患者を所管する福祉事務所の協力を得て調べ、そのうち71人の患者から聞き取り調査を行った。2008年度を調査対象年としたのは、警察の強制捜査によって関係書類の多くが押収され、入手可能な入院患者のデータが限られていたからだった。

 調査の結果、山本病院の入院患者について次のようなことがわかった。

  1.   入院患者全体のうち生活保護受給者の占める割合が54%と、県内の他の病院に比べて極めて高い。
  2.   生活保護入院患者のうち14%が奈良県、86%が奈良県外の患者であった。
  3.   入院患者を年齢別に見ると、60歳以上が82%を占め、男女比では男性が89%であった。
  4.   生活保護入院患者のうち41%が、山本病院を含む複数の病院に転院しながら年間を通して入院していた。
  5.   大阪市からの入院患者は264人で、そのうちホームレス等の行旅病人を担当する保護実施機関である緊急保護業務センターや更生相談所が扱った患者は112人であった。
  6.   2008年度中に山本病院に入院歴のある生活保護患者についてみると、山本病院は73カ所の病院から患者を受け入れていた。このうち10人以上の患者を山本病院に送った病院数は12で、これら病院からの転院患者は、山本病院が受け入れた患者の63%を占めた。

 福祉事務所のケースワーカーらが聞き取り調査を行うことができた71人のうち23人が「なぜ山本病院に入院することになったのかよく覚えていない」「転院した理由がわからない」などと回答し、18人が「前の病院から何の説明もなく転院させられた」と回答した。これにより、聞き取り調査の対象となった患者の58%が山本病院への転院理由を理解していなかったことがわかった。調査・再発防止委員会の報告書は「多くの患者について、山本病院に転院してきた際に真に治療上の必要があったのかどうか疑問が生じる調査結果が得られた」としている。

 また、「心臓カテーテル検査または経皮的冠動脈ステント留置術等を受けた」と回答した患者35人に対して、これらの検査や治療を受ける際に事前に病院側からその内容についての説明を受けたか質問したところ、18人(51%)が「事前に説明は受けなかった」と回答した。また、「今まで心臓が悪いなどと言われたことがないのに山本病院で心臓が悪いと言われた」と回答した患者が16人おり、そのうち11人がカテーテル検査をされたと答えた。

 調査・再発防止委員会はこのほか、2008年4月から6月までの3カ月間に山本病院に入院していた生活保護患者139人を対象に、同病院の診療報酬請求の実態を調べた。139人のうち25人に対し心臓カテーテル検査のみを行い、76人に対しステント留置術を行ったとして診療報酬が請求されていた。心臓カテーテル検査とステント留置術の合計は101人で、同時期に入院していた生活保護受給者の73%を占めた。101人のうち奈良県外の患者が94人で、そのうち大阪市の患者が75人であった。レセプトに「狭心症」と記載された患者は115人に達し、これは同時期の生活保護入院患者の83%にあたる。このほか、生活保護入院患者のうち63%に頭部MRI、76%に頭部CT、79%に腹部CTを行ったとして、それぞれ診療報酬を請求していたことがわかった。

 調査・再発防止委員会は生活保護入院患者のカルテや冠動脈造影検査の画像データに関する調査も実施した。対象となったのは、2005年~2006年に山本病院でPCI(※筆者注=ステント留置術を含む、冠動脈の狭窄部分を広げる治療全般の総称)を複数回行われた11人の患者である。調査は循環器の専門医師2人によって行われた。

 この調査で次のような問題点が判明した。

  1.  入院時ルーチン検査として、全症例に①頭部CT、MRIあるいは腹部CT検査②腹部エコー検査③心エコー検査④ホルター心電図検査⑤負荷ECG検査(※筆者注=負荷をかけて行う心電図検査)を検査依頼し、全例に冠動脈造影検査及びPCIを施行した。
  2.  カルテには、いずれの症例も胸部症状(狭心症に関連する症状)の記載はなく、前医からの紹介病名に「狭心症」を加えた。狭心症症状は、カルテに記載されていないのみならず、看護記録でも確認できなかった。狭心症の存在は極めて疑わしい。にもかかわらず、入院時診療計画書に狭心症(病名)、胸痛(症状)、心血管検査(治療計画)が記載されていた。
  3.  心エコー検査は検査技師によって行われたが、エコー描出や解析は不十分で、検査の精度は極めて低かった。ホルター心電図検査は行われたが、その解析の信頼性は乏しい。
  4.  PCIは山本病院では通常、左冠動脈一枝(※筆者注=冠動脈には右冠動脈1本と左冠動脈2本の計3本があり、3本の冠動脈のうち何本に狭くなったところや詰まったところがあるかで病気の重症度を示す指標となる。左冠動脈一枝というのは2本ある左冠動脈のうちの1本を指している)に施行し、日を改めて他枝に行った。1回の入院中2回ないし3回のPCIを行った。冠動脈造影検査、PCIは、今回調査対象となった11例全例に複数回実施された。実施の基準として心筋虚血の有無(狭心症症状や心電図虚血所見)は考慮されていなかった。
  5.  冠動脈造影における冠狭窄度の判定はQCA(自動計測)で行っていたが、 画像処理の人為的操作により、狭窄度を誇張したり、恣意的に見かけ上の冠動脈狭窄を作成し、治療適応のない見かけの狭窄病変に対しても、PCIを施行した

 過剰診療と検査データの捏造

 調査に当たった専門医は「調査したほぼ全症例で、診療ガイドラインに照らして過剰診療が行われ、さらに、多くの症例で病名(狭心症)・症状・検査所見の捏造が行われていたものと考えられる」と指摘した。

 厚生労働省が定めているルールでは、ステント留置術の診療報酬を請求できるのは、冠動脈の造影検査で冠動脈の狭窄の度合いが75%以上である患者に限られ、それ以外の患者に関して請求する場合にはレセプトに理由や医学的根拠を詳細に記載する必要がある。

 下線部にあるように、山本病院では患者の冠動脈に狭窄がない場合でも詰まっているかのような画像を人為的に作成していたことが調査・再発防止委員会の調査で判明した。前述したように、2007年9月13日付の郡山保健所への匿名の投書には「レセプトで返戻されないように心カテの造影写真をパソコンで手直し・偽造してカルテに添付している」との記載があったが、なぜ、人為的操作があったと確認できたのだろうか。

 匿名を条件に筆者の取材に応じた奈良県の関係者は次のように話した。

 詐欺罪で立件したケース以外の押収資料が警察から返却され、その中に冠動脈造影検査の動画を記録したCDが含まれていた。山本医師はコンピューターソフトを使って画像に人為的な操作を加えて冠動脈が狭くなっているかのような画像を作成し、それをプリントアウトしてカルテに貼り付け、『狭心症』という診断とつじつまが合うようにしていた。カルテだけ見れば、ステント留置術の診療報酬を請求することに問題がないようになっていた。ところが、冠動脈造影検査の動画をチェックすると、カルテに貼り付けた画像写真と異なり、狭窄がないものがあったので、人為的な操作とわかった。動画が残っていなければ、捏造であると確認することはできなかった。

 自治体の返還請求

 調査・再発防止委員会がPCIの実施の妥当性を検証した対象患者は11人だけだったが、その後、山本病院の入院患者に生活保護の医療扶助を支給していた関西の複数の自治体も、奈良県警から奈良県に返還されたカルテやCDを借り、循環器の専門医に依頼して調査を行う。それらの自治体は、理事長である山本医師が起訴されたことで経営が立ち行かなくなった山本病院の破産手続きにおいて、「不必要な医療を行った」として医療費の返還を求めることになる。

 最も多くの生活保護受給者の医療費を負担していた大阪市は120人以上の患者を対象に調べた。大阪市立大学の複数の循環器内科医にカルテや動画の検証を依頼した結果、そのほとんどについてステント留置術などの診療報酬請求が「妥当ではない」といった結論が出された。筆者の情報公開請求に対して大阪市が開示した「破産債権届出書」(奈良地裁宛て、2010年2月24日付)の写しによると、支払い済み診療報酬のうち1億1370万6290円を債権(返還を求める医療費)として届けた。債権の内容、原因について届出書には、「平成19年7月~平成21年7月間の診療における診療報酬不正疑義分(心疾患治療にかかるステント留置術及び関連検査等)」と記載されている。

 大阪市のように診療報酬の返還を求めた自治体は29あり、返還請求額は計3億2258万9736円にのぼる。しかし、破産管財人の弁護士がこれに応じなかったため、返還を断念した自治体もあった。山本病院の負債(届出債権額)は約5億7000万円だったが、医療機器の売却などで集まった病院の財産は7358万円にとどまった。そこから、職員への未払い賃金や未納の税金などを差し引いた残りが自治体や業者に配当されるため、債権回収は極めて困難であった。

 それでも、大阪市など7つの自治体が破産管財人の決定を不服として、2011年1月、奈良地裁に「査定」を申し立てた。7自治体の査定申立総額は1億7582万9670円だった。

 しかし、前述したように、配当に回せる原資となる病院の財産が限られていたし、破産管財人は「不必要な医療行為だったという根拠があいまいだ」と主張した。大阪市の開示文書に含まれていた破産管財人の答弁書(2011年3月3日付で、大阪市による査定申立の棄却を求めた文書)によると、自治体側の返還要求に対し破産管財人は次のような論理で反論した。

 本件査定にかかる債権の主張は、山本医師が診療報酬の詐取で詐欺罪で立件されたことに触発されていると思われる。しかし、刑事事件として立件された診療報酬の詐取は、カルテに記載された留置されているはずのステントが、実際には留置されていないことが手術後の患者の画像診断から明らかであるというもので、そのうえ、山本医師本人も事実を認め、診療録上に虚偽のステント術を示す隠語が残されていて、関係した看護士(原文ママ)の供述でもカルテの記載が虚偽であることが判明している事案である。従って、医学的専門的知見がなくとも詐取と判断できる事案である。これに対して、本査定申立に係る事案は、ステント留置術及びそれに関連する検査の必要があったかなかったかという医師の裁量的判断の妥当性が問題となるものであって、申立人の提出した意見書の当否を判断するには、山本医師の弁解を聴取し、専門的知見に基づいて申立人の提出した意見書の妥当性について判断することが必要不可欠で、刑事事件とはかなり事案を異にする。従って、査定手続において上記の点の証拠調べが実施されないとすれば、申立は立証不十分で棄却せざるを得ないはずである。

 回収されなかった診療報酬

 最終的に7自治体の債権確定額は査定申立額の一律一割とすることで決着した。病院職員の未払い賃金が約3500万円、税金の滞納分が約800万円あったことなどから、自治体への実際の配当額は最も多い大阪市で92万9144円、最も少ない京都府で6608円、7自治体の合計額は143万6778円にとどまった。当初29自治体が返還を求めた3億2258万円の0.4%しか回収できなかったことになる。

 7つの自治体の査定申立額、債権確定額、実際に配当された金額は次の通りである。

 査定申立額確定額配当額
大阪市 1億1370万6290円 1137万629円 92万9144円
堺市 2381万6600円 238万1660円 19万4615円
吹田市  729万4020円  72万9402円  5万9603円
東大阪市  472万2700円  47万2270円  3万8591円
京都市  2265万6510円  226万5651円  18万5136円
京都府八幡市  282万4740円  28万2474円  2万3081円
京都府  80万8810円  8万881円  6608円

 大阪市の開示文書の中には、大阪市立大学の循環器内科医が一人ひとりの患者について手術動画やカルテの記載からステント留置術や関連検査の必要性、保険請求の妥当性などを検証した「意見書」も含まれていた。意見書の枚数は122枚だが、氏名が黒塗りで開示されたため、患者の実数が122人かどうかは不明である。意見書のほとんどには「ステント留置術の必要性はなく、保険請求は不当」などと記載されていた。(次回につづく

出河 雅彦(いでがわ・まさひこ)

 朝日新聞青森総局長。1960年生まれ。92年朝日新聞社入社。社会部などで医療、介護問題を担当。2002年から編集委員。医療事故や薬害エイズ事件のほか、有料老人ホームや臨床試験について取材。著書「ルポ 医療事故」(朝日新聞出版)で「科学ジャーナリスト賞2009」受賞。近刊の著書に「混合診療」(医療経済社)。

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