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深掘り

書籍紹介

「危機管理法大全」 企業不祥事対応実務の論点を網羅

『危機管理法大全』
 2016年3月1日発行
 監修者:木目田裕
 編 者:西村あさひ法律事務所・危機管理グループ
 発 行:㈱商事法務
 定 価:9,000円

拡大『危機管理法大全』の表紙
 現在では広く認知され、多くの弁護士が専門的に携わるようになった「危機管理」だが、かつては、当局対応は刑事法に強い弁護士、再発防止策は会社法に強い弁護士といったぐあいに、それぞれを得意分野とする弁護士によってバラバラに対処されることが多かった。

 しかし、当局への対応から関係機関への情報開示、社内処分のあり方や再発防止策の検討など、多面・多層的に発生するこれらの業務には、一元的な全体戦略の観点から取り組む必要がある。西村あさひ法律事務所では、そのような問題意識のもと、10年以上前から「危機管理」を業務分野とするグループを立ち上げて、その対応にあたってきた。

 この本は、その西村あさひ法律事務所の危機管理業務グループに所属する29名の弁護士が関わって編まれた。過去に執筆した論文から、現段階における対応のあり方を整理・再検討し、新しく書き起こした論文までを体系的に収録している。

 「危機管理分野のパイオニアによる初の体系書」と本の帯にPRされている。

 「危機管理とは何か」で始まる「危機管理総論」を第1章とする。「金融商品取引法関連」、「独占禁止法関連」、「情報流出」、「クロスボーダー問題」など全17章から構成され、さまざまな企業不祥事を想定してテーマを網羅的に取り上げることで、現段階における「危機管理」対応のあり方を紹介することを目的としている。

 たとえば、第3章第1節(カルテル対応)では、2011年、米国で自動車部品事業における価格カルテルに関する調査が行われ、以降、日本企業をはじめとする世界的な自動車部品メーカーが次々と摘発された事件を紹介する。米国における独禁法・競争法の制度面の強化からその摘発状況、リニエンシー制度など摘発手段の進化などにふれ、いかにして企業が国内外のカルテル規制による摘発リスクに対応するべきか論じている。

 監修は、木目田裕弁護士。1993年に検事となり、東京地検特捜部、法務省、金融庁などで勤務した。2002年に退官して、弁護士となり、以後、西村あさひ法律事務所に在籍している。

(AJ編集部・秋丸生帆)

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