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深掘り

背景解説

パナマ文書に無登録のFX取引業者 法人を隠れみのに違法行為

奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 英領バージン諸島など租税回避地(タックスヘイブン)に法人を設立したり維持したりするのを主な業務としていた中米パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ(MF)」から、再び大量の内部文書が流出した。前回と同じく南ドイツ新聞が入手し、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)を介して、朝日新聞など各国の報道機関が共有し、分析した。その結果、電話料金の請求書など本人確認書類が偽造されたり、出会い系サイトを運営するアンギラ島法人の役員に身に覚えのない人が据えられたりした事例が明らかになった。MF自身が、自分の管理する法人の本当の所有者を把握できていなかった実情も浮き彫りになった。その法人を実質的に支配する真の所有者はだれなのか、そうした所有者情報をどのように公表し、どこまで法人の背後関係を社会に透明にするべきなのか――。そういう疑問がMF社だけでなく、私たち自身にも突きつけられている。

 ■違法な金融取引業者

拡大関東財務局にあてた手紙などパナマ文書の一部
 新たに流出したパナマ文書の中に、日本の財務省関東財務局をあて先とする2016年5月30日付の手紙がある。

 差出人はモサック・フォンセカ(MF)。「マックス・トレーディング(コマーシャル)リミテッド」というアンギラ島の会社に対して、関東財務局からMFアンギラ事務所の住所地に送られてきた封書がその主題となっている。

 「我々の住所地で封書を受け取りました。この会社は我々には所属しておらず、この封書をあなた方にお返しします」

 文面は素っ気なく、2行しかない。

 マックス・トレーディング社はそれより前

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奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 朝日新聞編集委員。
 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部などを経て特別報道部。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。
 著書『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)で第21回司馬遼太郎賞(2017年度)を受賞。同書に加えて福島第一原発事故やパナマ文書の報道などを含めた業績で、2018年度の日本記者クラブ賞を受賞。
 そのほかの著書として『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)がある。共著に『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)など。
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