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事件記者の目

特ダネ記者が今語る特捜検察「栄光」の裏側

収賄犯人の自民党代議士と料亭で会食した検事総長

(4)読売新聞記者「不当逮捕」と日本通運事件

村山 治(むらやま・おさむ)

 ロッキード事件、リクルート事件など戦後日本を画する大事件を摘発し、「検察のレジェンド」と呼ばれた吉永祐介元検事総長が亡くなって1年が経つ。それを機に、吉永さんを長く取材してきた元NHK記者の小俣一平さん(62)と元朝日新聞記者の松本正さん(68)に、吉永さんと特捜検察、さらに検察報道の今と昔、それらの裏の裏を語ってもらった。猪瀬直樹・前東京都知事の5千万円受け取り史上最悪の検察不祥事を明るみに出した調査報道政治による検察コントロール「指揮権発動」をめぐる議論から、話は、検察による記者の「不当逮捕」と検事総長が捜査中に政治家と料亭で会食したスキャンダルに移った。

 ●情報漏えいの犯人捜しで読売記者を逮捕した検察

拡大朝日新聞、毎日新聞、NHKでかつて「検察のレジェンド」を取材した記者たちが集まり、特捜検察とその報道、それらの裏の裏を今だから語り尽くす。左から小俣一平(NHKから東京都市大学)、村山治(毎日新聞から朝日新聞)、松本正(朝日新聞から中央大学)の各氏。東京・霞が関の検察庁舎前で。
 村山:戦後すぐのころは春のように明るいイメージがあった検察とメディアの関係も、微妙に変化していきます。前回も話に出た読売新聞の立松和博記者が東京高検に名誉毀損の疑いで逮捕される事件は造船疑獄から3年後の1957(昭和32)年に起きました。この事件は、「検察はいざとなったら記者にも手をかける」と記者の記憶に深く刻まれることになる歴史的な事件でした。

拡大「読売新聞記者を逮捕」と報じた1957年10月26日の朝日新聞朝刊社会面記事
 小俣:特捜部が摘発した売春汚職が舞台でした。売春汚職は、売春業者の団体が、売春防止法案などが国会で審議された際に、業者側に有利な活動をしてくれる国会議員3人に現金を贈ったとして起訴された事件です。この事件の捜査の過程で、当時法務省刑事局刑事課長だった河井信太郎さんに反感を持つ検事たちが、

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村山 治(むらやま・おさむ)

 徳島県出身。1973年早稲田大学政経学部卒業後、毎日新聞社入社。大阪、東京社会部を経て91年、朝日新聞社入社。金丸脱税事件(93年)、ゼネコン事件(93,94年)、大蔵汚職事件(98年)、日本歯科医師連盟の政治献金事件(2004年)などバブル崩壊以降の政界事件、大型経済事件の報道にかかわった。
 著書に「特捜検察vs.金融権力」(朝日新聞社)、「市場検察」(文藝春秋)、「小沢一郎vs.特捜検察、20年戦争」(朝日新聞出版)、「検察: 破綻した捜査モデル」(新潮新書) 。共著に「ルポ 内部告発」(朝日新書)、「田中角栄を逮捕した男 吉永祐介と 特捜検察『栄光』の裏側」(朝日新聞出版)。

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