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事件記者の目

特ダネ記者が今語る特捜検察「栄光」の裏側

政界汚職が不発に終わった平和相銀事件の捜査

(12)撚糸工連事件、平和相銀事件、「トリ」事件

村山 治(むらやま・おさむ)

 ロッキード事件、リクルート事件など戦後日本を画する大事件を摘発し、「特捜検察のエース」と呼ばれた吉永祐介元検事総長が亡くなって1年が経った。それを機に、吉永さんを長く取材してきた元NHK記者の小俣一平さん(62)と元朝日新聞記者の松本正さん(68)に、吉永さんと特捜検察、さらに検察報道の今と昔、それらの裏の裏を語ってもらった。第12回の本稿では、10年ぶりの政界汚職摘発となった撚糸工連事件、政官業と地下社会の深い結びつきにメスが入ると思われながらそうはならなかった平和相互銀行事件を中心に、検察取材の実態を語ってもらう。

 ●撚糸工連事件

 村山:私が検察担当だった時代に、松本さんの「強さ」を認識したのは、特捜部が1986年に摘発した日本撚糸工業組合連合会(撚糸工連)事件の政界ルート捜査の報道でした。

 小俣:あの事件は、東京地検特捜部副部長の石川達紘さんの地道な訓練が実を結び、

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村山 治(むらやま・おさむ)

 徳島県出身。1973年早稲田大学政経学部卒業後、毎日新聞社入社。大阪、東京社会部を経て91年、朝日新聞社入社。金丸脱税事件(93年)、ゼネコン事件(93,94年)、大蔵汚職事件(98年)、日本歯科医師連盟の政治献金事件(2004年)などバブル崩壊以降の政界事件、大型経済事件の報道にかかわった。
 著書に「特捜検察vs.金融権力」(朝日新聞社)、「市場検察」(文藝春秋)、「小沢一郎vs.特捜検察、20年戦争」(朝日新聞出版)、「検察: 破綻した捜査モデル」(新潮新書) 。共著に「ルポ 内部告発」(朝日新書)。

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