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ニューズ&コメンタリー

宝塚線脱線でJR西前社長 21日初公判、争点は

 乗客・運転士107人が死亡し、562人が負傷した事故の責任と真相は解明されるのか。2005年4月のJR宝塚線(福知山線)脱線事故から5年8カ月。21日に神戸地裁(岡田信裁判長)で始まるJR西日本前社長、山崎正夫被告(67)=業務上過失致死傷罪で起訴=の公判の争点を整理した。

  ▽筆者:沢木香織

  ▽この記事は2010年12月18日の朝日新聞(大阪)に掲載されたものです。

  ▽関連記事: 連載・JR脱線事故裁判・責任のありか

 

 ■事故と起訴までの経緯

 事故は05年4月25日午前9時18分ごろに発生した。兵庫県尼崎市のJR宝塚線を走行中の快速電車(7両編成)が制限速度を大幅に超えてカーブに進入し脱線。線路脇のマンションに突っ込んだ。

 県警は延べ約3万6千人の捜査員を投入し、懲罰的とされた日勤教育や過密ダイヤが運転士に与えた影響など事故原因を幅広く捜査。08年9月、現場カーブに自動列車停止装置(ATS)を備えて事故を防ぐ義務を怠ったなどとして、山崎前社長ら10人を神戸地検に書類送検した。

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 事故時にATS整備を義務づけた法令はなく、山崎前社長らは地検の事情聴取に「事故は予見できなかった」と説明。これに対して地検は、真相解明を求める遺族の思いを受けて全国1千カ所以上のカーブを調査。200人の関係者の聴取や県警が見送ったJR西日本本社(大阪市北区)への家宅捜索を2度実施し、1996年12月に現場カーブが急曲線に付け替えられた当時に安全対策を統括する鉄道本部長だった前社長が、ATSの必要性を認識していた疑いを強めていった。

 山崎前社長の起訴方針を伝えられた最高検は、業務上過失致死傷罪の立証に不可欠な「予見可能性」と「結果回避義務違反」が明確ではなく、公判維持できないとして2度退けた。しかし、地検は補充捜査を踏まえて最高検を説き伏せ、昨年7月に前社長を否認のまま在宅起訴した。

 地検関係者は朝日新聞の取材に「99%の有罪率を見込んで起訴する従来の基準に当てはめた起訴ではなかった。多数の犠牲者が出た鉄道事故の刑事責任の有無を検察だけで判断するのは尊大と考えた」と捜査を振り返る。

 ■主張対立、証人30人

 岡田裁判長は公判に入る前に争点や証拠を絞り込む非公開の手続きを今年3~11月に8回開き、検察側が捜査段階で聴取したJR西の運転士や山崎前社長の元部下ら計30人を証人として呼ぶことを決定。公判では、これらの証言が鍵を握ることになる。

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 現場カーブは96年12月、

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