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ニューズ&コメンタリー

日弁連が公益通報者保護法改正を求める意見書「現行法にメリットほとんどなし」

奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 内閣府消費者委員会の専門調査会が公益通報者保護法改正の先送りを容認する報告書をまとめたことについて、日本弁護士連合会は18日、「通報しようとする者にとって法が障害となっているか否かという観点からの検討や議論が全く不十分なままとりまとめがなされた」と批判し、内閣府の消費者委員会と消費者庁に法改正を求める意見書を提出した。公益通報者保護法は附則の規定でこの春の施行5年をめどに「施行状況の検討」と「必要な措置を講じること」を政府に義務づけており、日弁連は「安易に立法事実がないなどと決めつけこれを前提に改正を見送ることは、明らかに法の見直しが規定された趣旨に反している」と指摘している。


 公益通報者保護法は2006年4月1日に施行され、今年3月末に施行から満5年となる。この法律の保護の対象となる公益通報の範囲などをめぐって同法の制定の際に意見が分かれたことを踏まえ、同法の附則の第2条で「政府は、この法律の施行後5年を目途として、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」と定められている。

 このため、内閣府の消費者委員会の下に審議組織として「公益通報者保護専門調査会」が設けられ、昨年6月から議論が進められてきた。11月24日に開かれた同調査会の第6回会議で、消費者庁が「法改正によって制度を見直すべき具体的事実・理由は十分に確認できていない」とする見解を明らかにし、これにほぼ沿った調査会報告が今年1月25日の調査会最後の会議でまとめられた。

 この調査会報告について、日弁連の意見書は「法の具体的課題の検討ができておらず、問題を先送りにしたに過ぎない」と指摘。「本来であれば、調査会で深く検討議論すべき法の具体的課題について、十分な調査、検討及び議論がなされていないことは極めて重大な問題である」と批判した。

 日弁連の意見書は公益通報者保護法について「複雑で理解しがたい内容」「実務上利用するメリットがほと

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奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 朝日新聞編集委員。
 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部などを経て特別報道部。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。
 著書『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)で第21回司馬遼太郎賞(2017年度)を受賞。同書に加え、福島第一原発事故やパナマ文書の報道も含め、日本記者クラブ賞(2018年度)を受賞。近刊の共著書に『バブル経済事件の深層』(岩波新書、2019年4月)。
 そのほかの著書として『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)がある。共著に 『現代アメリカ政治とメディア』(東洋経済新報社、2019年4月)、 『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)など。
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