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ニューズ&コメンタリー

米司法省、記者の情報源を相次ぎ摘発 《事件一覧》

奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 報道機関への情報漏洩を理由とした訴追が米国で相次いでいる。2004年以前はわずか2件しかなかったのに、2005年以降、これまでに9件に上っている。以下、11件を列挙した。

  • 1971年
     空軍関連シンクタンク職員のダニエル・エルズバーグ氏らが国防総省のベトナム戦争秘密報告書(ペンタゴン・ペーパーズ)をニューヨーク・タイムズ記者に漏洩し、起訴。73年に公訴棄却。
  • 1984年
     海軍の分析官のサミュエル・ローリング・モリソン氏が軍事専門誌ジェーンズ・ディフェンス・ウイークリーに偵察衛星の写真を送付し、逮捕。88年に有罪が確定。禁錮2年。
  • 2005年
     国防総省のイラン担当官がロビーイング団体職員らに情報を漏らしたとして起訴され、記者への漏洩も含め、10月に有罪答弁。2006年に禁錮151カ月。共犯者に対する起訴が棄却されたことを受けて2009年6月に自宅軟禁10カ月に減刑。
  • 2009年
     FBI契約翻訳者が在米イスラエル大使館盗聴の記録をブロガーに漏洩したとして12月に有罪答弁。2010年に禁錮20カ月。
  • 2010年
     元NSA幹部のトーマス・ドレーク氏がシステムに接続してNSAの情報を入手し、ボルティモア・サン紙記者に提供し、4月に起訴。2011年6月、コンピューターの権限外使用のみについて有罪を認め、その他の起訴はすべて取り下げる内容で司法取引が成立。2011年7月に保護観察1年の判決。
  • 2010年
     陸軍上等兵のブラッドレー・マニング氏(チェルシー・マニング氏)が、米軍ヘリによるロイター通信記者ら掃射のビデオなど大量の電子ファイルを持ち出してウィキリークスに提供したとして7月に訴追。2013年8月に禁錮35年の判決。服役。2017年1月17日、退任直前のオバマ大統領によって減刑。同年5月17日に出所。
  • 2010年
     国務省上級顧問のスティーブン・キム氏が北朝鮮に関する秘密報告をFOXニュース記者に漏洩したとして8月に起訴。2014年2月7日に有罪を答弁して司法取引。4月2日に禁錮13カ月の判決。服役。
  • 2010年
     CIAの元作戦担当官のジェフリー・スターリング氏がイランの核開発に対するCIAの秘密妨害工作に関してニューヨーク・タイムズ記者に情報漏洩したとして12月に起訴。2015年5月11日に禁錮3年6カ月の判決。
  • 2012年
     CIA対テロセンターの元情報官のジョン・キリアク氏が、アルカイダ幹部の拘束や尋問を担当した職員の名前をニューヨーク・タイムズ記者らに教示したとして1月に逮捕、4月に起訴。2012年10月に司法取引。2013年1月に禁錮2年6カ月の判決。服役。
  • 2013年
     NSAの委託先の従業員エドワード・スノーデン氏がガーディアン記者らに情報を漏らし、6月14日に逮捕状。ロシアに亡命。
  • 2013年
     FBI爆発物専門官がCIAのイエメンでの作戦に関する秘密をAP通信に漏らしたとして9月に有罪答弁。11月14日に禁錮43カ月の判決。別件の児童ポルノ販売事件の捜査中に発覚。

 これらの中には、政府の財産を盗むことを禁じ

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奥山 俊宏(おくやま・としひろ)

 朝日新聞編集委員。
 1966年、岡山県生まれ。1989年、東京大学工学部卒、朝日新聞入社。水戸支局、福島支局、東京社会部、大阪社会部、特別報道部などで記者。『法と経済のジャーナル Asahi Judiciary』の編集も担当。
 著書『秘密解除 ロッキード事件  田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか』(岩波書店、2016年7月)で第21回司馬遼太郎賞(2017年度)を受賞。同書に加え、福島第一原発事故やパナマ文書の報道も含め、日本記者クラブ賞(2018年度)を受賞。近刊の共著書に『バブル経済事件の深層』(岩波新書、2019年4月)。
 そのほかの著書として『パラダイス文書 連鎖する内部告発、パナマ文書を経て「調査報道」がいま暴く』(朝日新聞出版、2017年11月)、『ルポ 東京電力 原発危機1カ月』(朝日新書、2011年6月)、『内部告発の力 公益通報者保護法は何を守るのか』(現代人文社、2004年4月)がある。共著に 『現代アメリカ政治とメディア』(東洋経済新報社、2019年4月)、 『検証 東電テレビ会議』(朝日新聞出版、2012年12月)、『ルポ 内部告発 なぜ組織は間違うのか』(同、2008年9月)、『偽装請負』(朝日新書、2007年5月)など。
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