福島第一原発事故と東京電力のリスク管理
東京電力福島第一原子力発電所1~3号機の原子炉は2011年3月11~15日に…
オリンパスと企業統治、コンプライアンス
長年にわたって損失を隠して決算を粉飾し、世間の目を欺き続けたオリンパス。内部…
小沢一郎衆院議員の政治団体の事件記録
自民党や民主党の幹事長を歴任した大物政治家、小沢一郎衆院議員の資金管理団体「…
滝沢 隆一郎
1966年生まれ。弁護士。東京大学法学部卒。架空の保険会社を舞台にした小説『内部告発者』(角川文庫)で2004年に第1回ダイヤモンド経済小説大賞(現・城山三郎経済小説大賞)を受賞。「滝沢隆一郎」はその際のペンネーム。本サイトにプロ野球とコンビニ経営企業を題材にした小説『ミラクルシックスの大飛球』を連載した。
弁護士としては、商取引、営業秘密保護、リスクマネジメントなどに詳しい。また、脚本協力・法律監修で50作品を超えるテレビドラマ制作等に関与している。38年間にわたって日本ハム・ファイターズの熱烈なファンである。
記事一覧
『秘密解除 ロッキード事件 ―― 田中角栄はなぜアメリカに嫌われたのか ――』 2016年7月22日発売 著者:奥山俊宏 岩波書店 「角栄本」がブー…続きを読む
3 1人残された室内で、中島はテレビをつけ試合経過を確認した。ベイライツは3対4と追い上げている。固さが取れ、平常心を取り戻したようだ。逆転までも…続きを読む
1 10月8日、晴れ。 首位東京ジーニアス、143試合、74勝59敗10分、勝率5割5分6厘。 2位のベイライツ、143試合、72勝59敗12…続きを読む
3 東京本社に戻った日、中島は植田オーナーの秘書にアポイントを求めた。すぐに植田の方も急用があるからと呼び出しが来た。閑職とはいえ、この1ヶ月以上…続きを読む
1 「ベイライツ、調子を取り戻しましたね」 「そうだといいですわ。でもうまくつづくかしら」 「あまり嬉しそうじゃないみたいですね」 「いえ、そ…続きを読む
3 2日後の江口は最高だった。中島はバックネット下、1塁ベンチ脇の半地下にある球団関係者席、通称金魚鉢を出て、1塁側内野スタンドで観戦した。露骨に嫌…続きを読む
1 世界は破滅に向かっている。 巨大地震、人智を超える津波の破壊力、制御不能の原発事故、空気と大地と海洋にまき散らされた永久的な放射能汚染。地球温…続きを読む
3 「おい、中島、生意気な連中だったな」 専用車に戻ると、植田はそう言って相好を崩した。 「そうですね。うちが球団を売却して、当然買えるものと決…続きを読む
1 「ファンと乱闘する球団職員と書かれたとは愉快だな」 「申し訳ございません」 「まあ、笑ってばかりもおられんな」 にこやかに笑っていた植田力…続きを読む
3 中島がスポライ本社に戻ると、1階入口のロビーが騒々しい。近づいてみると、4、5人の男たちに囲まれて、短躯の久松優球団社長が何やら興奮気味に応答し…続きを読む
1 中島光男は、昨夜のレターのことを考えていた。これ以上、飛ぶボール疑惑の真相探しをするなという警告文であることは疑いない。死人が出るというのは、中…続きを読む
3 どれくらい時間がたったのだろうと、中島は思った。白い天井がぼんやり見える。身体を起こそうとして、背中に強い痛みを覚え、苦悶の言葉がもれた。 「…続きを読む
1 球団事務所4階の会議室、今年のスローガン「主役をめざせ!」と大きく筆書きされたポスターが貼られている。昨夜の大敗から一夜明けて、午後1時から調査…続きを読む
3 「お疲れ様でした」と明るくねぎらう声で、木村亜矢子社長室長が入ってきた。中島は簡単に面談の様子を報告した。この日の聞き取りは、岩丸弁護士がメモを…続きを読む
1 翌朝、中島は習慣どおり午前6時30分には目が覚めた。球団事務所に呼ばれているのは午前10時だったから、ずいぶんと時間があった。ホテル内で営業してい…続きを読む
2 直後、どんと大きな音をたててドアが開いたかと思うと、赤茶色の塊、いや、よく見ると、その色のスーツを着た小太りの男性が身体ごと勢いよく入室してきた。…続きを読む
1 太陽が西に傾いているというのに、新神戸駅のホームに立つと、熱風が体に貼りついてきた。中島光男は、ふーっと、息を一つ大きく吐き出した。 これから向…続きを読む
3 中島光男は11階にある自分のデスクに戻ると、やりかけのカレンダー業務について、後輩にフォローするよう依頼した。部長には、会長室から、すでに急な出張…続きを読む
1 ミラクル・シックス。 神戸ベイライツの6回裏の攻撃は、そう呼ばれている。負けているホームゲームを6回裏にひっくり返すのが、今年の得意パターンだ。…続きを読む
(ある父親から聞いた話) 長い間、夏の暑さがつづいた。家の近所の公園に行っても、人影はまばらだ。ふた昔前のように、子どもたちが遊ぶ姿はない。 山下博志…続きを読む