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資料庫

厚労省・元係長宅から押収されたFDのデータを検討した大阪地裁判決理由の抜粋

 自称福祉事業支援組織「凜の会」に郵便割引制度の適用を受けさせるため厚生労働省の障害保険福祉部企画課長名義で虚偽の公文書が作成された事件で、大阪地検特捜部が同課の元係長宅で押収したフロッピーディスク(FD)のデータが検察の立証に都合のいい内容に書き換えられた疑惑が浮上している。この虚偽公文書作成の罪で起訴された当時の企画課長について、大阪地裁は9月10日に無罪の判決を言い渡したが、その判決理由の中では、このFDのデータは「客観的証拠」と位置づけられ、関係者の供述の信用性を判定する材料とされている。大阪地裁は結果的に書き換え前のデータを用いており、検察官の主張を退ける結論を導き出している。判決理由要旨の中からその判断部分を以下に抜粋する。

 

 

(ア)客観的証拠である公的証明書のデータとの関係

 前記認定事実のとおり、上村方から発見されたフロッピーディスクの中に、本件公的証明書と全く同一の内容の文書データ(「コピー~通知案」と題するファイル内)が保存されており、そのデータの作成日時は、平成16年6月1日1時14分32秒で、データ更新日時は同日1時20分6秒であった。

 なお、これとは別の文書データである通知案と題するファイル内には、前記のとおり、本件公的証明書の内容のうち、日付欄に「平成16年5月 日」と記載され、発番号はないデータと上村名義の「凜の会」にファクシミリ送信した文書のデータがあり、このデータの作成日は5月18日であった。

 そして、i 6月1日のデータは上村が作成したものと認られること、ii 関係証拠上、本件公的証明書と同内容のデータは他にみられないこと、iii 当該データの文書内容と、本件公的証明書とは全く同ーの内容であること、iv 上村が、同じ日付と発番号の別のデータを作成して、本件公的証明書を作成する理由は想定できないことからすると、当該データが本件公的証明書の基となったデータであると認められる。

 上村は、本件公的証明書の作成状況に関して、前述したおり、 6月1日午前零時から1時ころに、データを社会参加推進室の自席で作成し、翌朝8時ころ、当該データを印刷し、公印を押すなどして、本件公的証明書を作成したと供述している。

 上村の作成時刻に関する供述は、上記データという客観的証拠と符合している。

 この点、検察官は、冒頭陳述においては、「6月上旬ころ、社会参加推進室の職員が帰宅した後の深夜の社会参加推進室で、公的証明書の文言の記載のある書面を作成し、翌早朝ころ、同書面に企画課長名の公印を押印し、公的証明書を作成した。」と主張し、文面の作成の翌朝に公印を押して、公的証明書を作成したと主張していたが、論告においては、本件

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