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資料庫

オリンパス弁護人、ライブドア事件と比較、寛刑求める

堀江貴文・元ライブドア社長に対する一審・東京地裁判決の要旨

 企業が社会において果たす役割とその責任の重さに鑑みれば、企業経営者には高い倫理観と遵法精神が求められるのであって、 もとより、企業利益のみを追求し、法を無視することが許されるものではないことは論をまたない。ましてや、社外に多数の投資者、債権者等の関係者を抱え、社会性、公共性の強い上場会社においては、廉直かつ公正な、透明性のある経営が要請されているのである。しかるに、本件各犯行は、 多数の子会社等を擁する企業集団の最高経営責任者である被告人や、最高財務責任者の宮内など、経営陣が自ら直接主導するなどして組織的に敢行されたものである。被告人らは、見せかけの成長にこだわり、短期的な企業利益のみを追求したものであって、そこには、虚偽情報によって翻弄される投資者への配慮といった、上場企業の経営者としての自覚は微塵も感じられない。

 被告人は、LDの創業者で、当時、唯一代表権を有する代表取締役社長であり、かつ、筆頭大株主でもあって、グループの不動のトップとして君臨し、戦略会議、定例会議等を通じて、グループ内の業務全般を統括するなど、グループ内で絶大なる権限を保持していたものである。

 そして、被告人は、本件各犯行のうち、VCJにおける架空売上げの計上については、 自ら直接、岡本らに対し、その実行を指示したものであって、また、それ以外の犯行についても、前判示のとおり、宮内らからの報告、提案を受けてこれを了承し、最終的な決定をする形で関与したものであって、いずれの犯行においても、被告人が中心的な役割を担ったことは否めない。被告人の指示、了承なしには、本件各犯行の実行はあり得なかった。

 また、本件各犯行は、被告人が、前年を上回る業績の向上を公表することを強く希望し、その達成を推進してきた結果にほかならない。

 加えて、被告人は、LDの大株主であり、本件スキームの実行により株式の保有率自体は低下したものの、筆頭大株主たる地位は失わず、保有する株式の時価総額も増大し、結果的に、本件犯行の利益を享受している。現に、一部の保有株式を売却し、多額の資金を得ており、 このこと自体から被告人が自らの個人的利益を得る目的のために本件各犯行を行ったとまでは認められないにしても、 これを量刑上看過することはできない。

 さらに、被告人は. 自己の認識や共謀の成立を否定するなどして、本件各犯行を否認しており、公判廷においても、 メールの存在等で客観的に明らかな事実に反する供述をするなど、不自然、不合理な弁解に終始しており、前記のとおり多額の損害を被った株主や一般投資者に対する謝罪の言葉を述べることもなく、反省の情は全く認められない。以上によれば、被告人の刑事責任は

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