メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

資料庫

オリンパス弁護人、ライブドア事件と比較、寛刑求める

堀江貴文・元ライブドア社長に対する東京高裁第12刑事部の控訴審判決の要旨

本件犯行は,ライブドア等が飛躍的に収益を増大させて成長性が高いとして実際の業績以上に誇示し,有望で躍進しつつあると社会向けに印象付け,ひいては自社の企業利益を追求したものである。その戦略的意図等には賛同できない。投資者保護には有用な有価証券報告書やTDnetというディスクロージャー制度の信頼を損ね,制度を根底から揺るがしかねない犯行であって,強い非難に値する。

 犯行態様も,実態の不透明な組合を組成し,ライブドア株式の売却に形式的に介在させ,売却益がライブドア側に還流している事実の発覚を防ぐために,組成日付けを遡らせるまでし,監査法人や公認会計士をも巻き込み,巧妙かつ複雑な仕組みを構築しており,悪質である。

 犯行結果を見ると,株式投資等の健全な発展を阻害し,投資者保護の面で深刻な悪影響を及ぼしている。上場廃止を受け,多数の株主に投下資本の回収を極めて困難にして損害を被らせ,また,関連企業等だけでなく社会一般にも少なからず影響を与えているとうかがえ,結果は重大である。

 また,被告人を始めとする経営陣が,上場企業としての社会的責任等を顧みず,自ら主導し,あるいは事業部門の担当者や子会社の者に指示を出すなどして,組織的に敢行したものである。ライブドアの最高責任者として,被告人の指示・了承がなければ,本件各犯行の実行はあり得ず,被告人の果たした役割は重要であった。原判決の「被告人は,自己の認識や共謀の成立を否定するなどして,本件各犯行を否認し,公判廷においても,メールの存在等で客観的に明らかな事実に反する供述をするなど,不自然,不合理な弁解に終始しており,(中略)反省の情は全く認められない。」との指摘は是認できる。被告人の規範意識は薄弱で,潔さに欠けるといい得る。当審取調べの被告人の「上申書」によれば,「今では,一度に100分割するのではなく,もっとゆっくり分割していけばよかった,少し急ぎすぎたのではないかと反省しています」とか,「株式市場に対する不信を招いてしまったことは悔やんでも悔やんでも悔やみきれません」などと現在の心情を綴っているが,自己の犯行についての反省の情はうかがわれない。

 以上によれば,被告人の刑事責任を軽視することはできないところ,弁護人は種々反論しているので,その主なものについて判断する。

 最初は,過去の粉飾決算事例等と比較して,粉飾金額等が少なくて軽微であるという。単純に比較する限り,粉飾金額自体は少ない。しかし,中心的な量刑因子は

この記事の続きをお読みいただくためには、法と経済のジャーナルのご購読手続きが必要です。

朝日新聞デジタル購読者(フルプラン)の方なら手続き不要

法と経済のジャーナル Asahi Judiciaryは朝日新聞デジタルの一部です。
有料(フルプラン)購読中の方は、ログインするだけでお読みいただけます。

朝日新聞デジタルのお申し込みはこちら

Facebookでコメントする

ご感想・ご意見などをお待ちしています。