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資料庫

ガス漏れ警報が鳴ったのに、繰り返された死亡事故

中三デパート盛岡店ガス爆発事故に関する消防の原因判定書

出火日時 平成23年3月14日(月曜日)7時58分ころ
出火場所 盛岡市中ノ橋通一丁目6番8号 株式会社中三盛岡店

 1 火災の概要

 (1) り災状況

 本火災は、株式会社中三盛岡店店長神雄司(○歳)が管理する鉄筋コンクリート造及び鉄骨造地下1階、地上9階建て、建築面積4,418.11㎡、延べ面積28,890.67㎡の百貨店(以下「株式会社中三盛岡店」という。)のうち、地下階3,208.27㎡を爆発により損壊し、更に1階の5か所の店舗出入口部分及び1階から9階までのエレベーターシャフトの昇降口の扉を破損するとともに、株式会社中三盛岡店と開口部のない耐火構造の床及び壁で区画されている株式会社イズミヤ代表取締役○○○○○(○歳)が所有する鉄骨造2階建て、建築面積218.16㎡、延べ面積434.71㎡の衣類・日用雑貨店の1階店舗の床に亀裂が生じたほか、株式会社中三盛岡店の南側の市道中ノ橋通一丁目八幡町線を挟み向かい合う自営業○○○○(○歳)が所有する木造2階建て、建築面積174.92㎡、延べ面積291.88㎡の店舗併用住宅の店舗部分の出入口の引違い戸及び出入口西側のはめ殺し窓のガラスを破損したものである。

 (2) 出火建物の状況

 出火建物は、昭和47年に株式会社川徳が鉄骨造地下1階、地上8階建ての百貨店として、延べ面積17,249.07㎡を新築し、昭和55年1月に株式会社中三が売却を受けた後、昭和56年5月に百貨店として、2,902.47㎡を増築したものであるが、その後、昭和58年10月に1階部分5.51㎡を増築し、昭和63年11月には、既存部分の南側に地下1階から9階及びPHまでの延べ面積、8,733.62㎡を増築して鉄筋コンクリート造及び鉄骨造地下1階、地上9階建て、建築面積4,418.11㎡、延べ面積28,890.67㎡の百貨店として使用しているものである。
 この建物は、消防法施行令別表第1(16)項イに該当する防火対象物で、火災予防査察規程(昭和60年消防本部訓令第1号)第3条第1号に規定する1号査察対象物である。

 (3) 出火建物のり災世帯、り災人員及び出火時の人的状況

 ア り災世帯
 なし

 イ り災人員
 なし

 ウ 出火時の人的状況
 出火時、建物内には開店前のため、来店客はいなかったが、株式会社中三盛岡店の社員及びテナント従業員が開店準備に当たっており、り災時の株式会社中三盛岡店の総員478人のうち、地下階に男性14人及び女性6人の計20人、5階に男性1人、8階に男性6人及び女性12人の計18人の合計39人が建物内にいたものである。(別添資料1参照)
 出火時の人的被害は、地下階で火災を発見したテナント従業員が、付近の店舗内に設置していた粉末10型消火器2本を活用して初期消火を試みたが、その直後に爆発が起こり、男性1人が死亡したほか、男性8人及び女性3人の計11人が負傷したものである。
 死傷者12人のうち、死亡した男性を含む男性4人及び女性1人は、地下階のがれきの中及び地下ピット内に倒れており、消防隊により救出されて救急隊に引き継がれたものである。また、ほかの7人は、避難中に負傷しており、屋外及び避難場所から消防隊により確保されて救急隊に引き継がれ、いずれも医療機関に救急搬送されたものである。(別添資料2参照)
 なお、在館者は、出火建物の東側の専用駐車場に避難したものである。

 (4) 死傷者の性別及び人数

 ア 死者
 男性1人

 イ 負傷者
 男性8人及び女性3人の計11人

 2 出火箇所の判定

 (1) 現場の見分状況

 現場見分調書(第1回) 2(2)ウ(ア)9階の状況から(ケ)1階の状況までに記載のとおり、「9階・・・室内に焼損は認められない。・・・8階・・・各室内に焼損は認められない。・・・7階・・・室内に焼損は認められない。・・・6階・・・各店舗に焼損及び商品の散乱は認められない。・・・5階・・・各店舗に焼損及び商品の散乱は認められない。・・・4階・・・各店舗に焼損及び商品の散乱は認められない。・・・3階・・・各店舗に焼損及び商品の散乱は認められない・・・2階・・・各店舗に焼損及び商品の散乱は認められない。・・・1階・・・各店舗に焼損は認められないが」とある事実
 現場見分調書(第2回)3焼き状況に記載のとおり、「田清魚店の鮮魚加工室内の中央付近に設置されている・・・マイコンメーターの下部の床に一部が溶融している発砲スチロール製のトレーが認められる。さらに、マイコンメーターの南側に片開きの自由扉が外れており、間仕切壁及び自由扉の上部に貼り付けられている紙類が焼損しているのが認められる。」とある事実
 現場見分調書(第6回)3焼き状況に記載のとおり、「田清魚店の鮮魚加工室の中央付近にある・・・〓・・・.アルミ製の自由扉は、中央部で南側に湾曲し、南面に貼り付けられていた紙類が一部を残して焼失しているのが認められる。・・・焼損している紙類について・・・〓」とある事実

 (2) 消火活動時の見分状況

 盛岡中央消防署本署隊救助工作車長の火災出動見分調書3消火活動時の見分状況に記載のとおり、「風除室部分を通過した店舗内で警備員と遭遇し、「地下に逃げ遅れ者が4人いる。」との情報を得たため

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