福島第一原発事故と東京電力のリスク管理
東京電力福島第一原子力発電所1~3号機の原子炉は2011年3月11~15日に…
オリンパスと企業統治、コンプライアンス
長年にわたって損失を隠して決算を粉飾し、世間の目を欺き続けたオリンパス。内部…
小沢一郎衆院議員の政治団体の事件記録
自民党や民主党の幹事長を歴任した大物政治家、小沢一郎衆院議員の資金管理団体「…
深掘り
(2012/09/27)
▽筆者:朝日新聞編集委員・出河雅彦
▽出河雅彦記者執筆の記事: 医療用ガス取り違え事故の背景に高圧ガス識別色の不統一
▽出河雅彦記者執筆の記事: 急増する精神障害の労災認定「手続き法に不備」
▽出河雅彦記者執筆の記事: 脳死臓器移植で「死因究明のために解剖すべきだった」との意見
はじめに
連載第1回では、神奈川県立がんセンターでの混合診療をめぐり、患者の遺族が病院を運営していた神奈川県などを相手取って起こした損害賠償請求訴訟の経緯と原告敗訴という結末が医療現場に与える影響について考えた。今回は、同じ神奈川県立がんセンターで治療を受けていた患者、清郷伸人さんが「混合診療禁止原則には法的根拠がなく違法」と、国を相手に起こした行政訴訟を取り上げる。
混合診療に関連した裁判はこれまでにもあったが、混合診療禁止原則は適法か否かが正面から争われた裁判はこれが初めてであった。保険診療のルールを定めた健康保険法に混合診療禁止の明文規定がないことから、一審東京地裁では原告の清郷さんが勝訴、二審東京高裁では国側が逆転勝訴と判断が分かれた。清郷さんの上告を受けた最高裁第三小法廷は2011年10月25日、5人の裁判官が一致して国側の主張を認める判決を言い渡し、清郷さんの敗訴が確定した。混合診療禁止の原則は、医療機関が公的医療保険の利かない薬や技術を用いると、
この記事の続きをお読みいただくためには、法と経済のジャーナルのご購読手続きが必要です。
法と経済のジャーナル Asahi Judiciaryは朝日新聞デジタルの一部です。
有料(フルプラン)購読中の方は、ログインするだけでお読みいただけます。
ご感想・ご意見などをお待ちしています。