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深掘り

東電原発事故テレビ会議映像詳録

「格納容器にちっちゃい穴が開いているかも」

3月17日午前7時34分から午前7時39分まで

 福島第一原子力発電所(1F)が2011年3月11日に地震と津波に襲われたときから、東京電力は東京の本店と福島第一原発の緊急時対策室を専用回線で結んで、テレビ会議を開いてきている。その録音・録画の一部が東電本店で記者に限定公開されている。そのうち、3月17日午前7時34分から午前7時39分までの場面をここに紹介する。

  ▽まとめ:奥山俊宏

  ▽注:一部の音声が東電において「ピー」音で聴取不能とされており、また、「ピー音」がなくてもよく聞き取れない言葉があり、それらについては適宜「●●」や「○○」「peee」「piiii」などの表現で示しました。

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 17日午前7時34分(注1)、突然、ざわめきの音声が入ってきて、無音状態が破られる。


1F●●
:すいません。復旧班●●ですが。まだ本店と今コンタクトをとってんですけど、問題がもっと厳しいのは2号のほうだっていうんで、とりあえず、今、2号を流量を半分、吐出圧0.6メガまで落としてあります。はい。

本店○○
:●●ね。

 午前7時35分(注2)から発言が途絶えるが、音声はマイクに拾われている。「はー」というため息、ざわめき、咳払いの音も聞こえる。発言はない。
 21秒後(注3)、本店で男が電話に向かって話し始める。その声がマイクに拾われて比較的鮮明に聞こえる。

本店●●(電話):おはようございます。●●ですけれども。いま話、できっかなぁ? 今さ、ちょっ、ちょうど聞こえたんだけどさ。3号のサプチャンのさ、レベルがハンチングしてさ、あーごめん圧力が。でーあんなの信用できないんだけど。それでえっと2号が確かにドライウェル圧力が上がってるっつったんだけど

 電話に向かっての男の話が続くなか、午前7時35分(注4)、それに重なる形で、別の男の若い声が「作業のことで、わからないんですけども」と話している。
 「今、質問が来てる。10時から14時というかんに、4時間掛かりますけどねぇ、そういう時には、10時、放水が終わってすぐに作業ができる・・・ですけど。前回の指示・・・って、放水から2時間は線量があまり・・・から『待て』っていう」
 原子力・立地本部長の武藤栄・副社長とよく似た声の男がそれに対して「というようことはやらない」と答えている。
 若い声は「やらない? レベルがモニタリングポストか何か・・・にして」と確認している。武藤副社長とよく似た声が何かを説明している。「そしたら、おしりはpee、ずらして・・・」と言っている。
 その間にも、2号機格納容器(ドライウェル)の圧力をめぐる電話でのやりとりは続いている。


本店●●(電話)
:うん。
下がっちゃったんです。うん。うん。うん。うん。うん。うん。うん。
つまりそのこれは0.065と0.075だとつうつうになっちゃってるから圧力容器とドライウェルが。peeeしかも全体に圧が下がってるんでバランス見なきゃわかんないけど格納容器にちっちゃい穴開いてるかもしれない
2号。
うんうん。全体のバランス見ないと分かんないけどね。うんうん。うん。うん。そう。
それで? えっと給水量を減らしたんでしょ? 半分にしようって
うん、うん、うん、うん、

 午前7時36分(注5)、「それでえっと給水量を減らしたんでしょ」の発言の直後、「いや」という声が聞こえるが、「給水量の減」への反応かどうかは分からない。
 本店のだれかが「ちょっとした・・・をしたものなんですけど。そこそこ・・・。そこから現実見ないといけないんで」と言っている。
 「いま終わったら」という声が入る。「あ、そうですか、ありがとうございます」という声も聞こえる。
 のちに公表されたデータ集によると、17日午前3時10分時点で、2号機の格納容器ドライウェル圧力の値が0.075メガパスカル、炉圧の値がマイナス0.065メガパスカルとなっていた。炉圧は大気圧との差を示すゲージ圧で表示されているので、絶対圧としては0.036メガパスカルということになる。ドライウェル圧力の0.075メガパスカルとともに、大気圧の0.101メガパスカルより低い値となっている。


本店●●(電話):うん。うん。うん。うん。うん。うん。
絞る必要はあまりないと思うんだけど。で、今ど

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