メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

西村あさひのリーガル・アウトルック

女性活躍推進法の成立と企業に求められる対応

辰巳 郁(たつみ・かおる)

 企業に女性登用を促す女性活躍推進法が8月に成立し、従業員301人以上の企業は、数値目標を含めた行動計画の策定と公表を来年4月までに行うことが義務づけられた。女性登用促進のため、女性が新規採用者や管理職に占める割合、男女の勤続年数差などを企業自らに把握させ、改善させようというものだ。辰巳郁弁護士が推進法の概要と行動計画の具体的な内容や留意点について解説する。

女性活躍推進法の成立と企業に求められる対応

弁護士・ニューヨーク州弁護士
辰巳 郁

 1 はじめに

拡大辰巳 郁(たつみ・かおる)
 2004年、東京大学法学部第一類卒業。2012年、デューク大学ロースクール卒業(LL.M.)。2012~2013年までシカゴのカークランド・アンド・エリス法律事務所勤務。2013~2015年、法務省民事局(会社法担当、商事課併任)出向。2014年、司法試験考査委員(商法)。2014年、ミャンマー法整備支援プロジェクト会社法アドバイザリーグループ委員。
 2015年8月、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号)が成立した。
 政府は、女性の力を「我が国最大の潜在力」として成長戦略の中核に位置付けているところ、2014年6月に策定された「日本再興戦略」改訂2014に関連する内容が盛り込まれたことを直接の契機として、厚生労働省の労働政策審議会雇用均等分科会において、女性の活躍推進に向けた新たな法的枠組みの構築に関する検討が進められた。この検討の結果を受け、同年9月に労働政策審議会の建議が出され、これを基礎に法律案が立案された。同年の臨時国会にこの法律案が提出され、衆議院解散によりいったん廃案となっていたが、2015年2月に同様の法律案が再度提出され、上記のとおり成立に至ったものである。
 その後も2016年4月1日の完全施行に向けた作業が関係府省庁において急ピッチで進められていたが、直近では2015年11月20日に、事業主行動計画策定指針が公表されるに至り、いよいよ規律の全容が明らかになった。全国で1万2000社超存在する、常時雇用する労働者が300人を超える一般事業主(国及び地方公共団体以外の事業主をいう。以下同じ)においては、2016年4月1日までに一般事業主行動計画の策定、公表等が必要となるため、そのための準備に要する期間も踏まえると、残された時間は僅かであると言わざるを得ない。
 本稿では、女性活躍推進法の概要を説明した後、特に民間企業への影響が大きい一般事業主行動計画の策定、届出、公表等に関する規律を中心に、その具体的な内容や留意点について解説する。
 なお、本稿では、以下の法令等について次のような略称を用いる。女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成27年法律第64号):女性活躍推進法又は法、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律施行令(平成27年政令第318号):令、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令(平成27年厚生労働省令162号):省令、事業主行動計画策定指針(平成27年内閣官房・内閣府・総務省・厚生労働省告示第1号):策定指針、職発1028第2号・雇児発1028第5号「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律の施行について」:通達、次世代育成支援対策推進法(平成15年法律第120号):次世代法。

 2 女性活躍推進法の概要

 (1) 目的・基本原則(法1条、2条)

 女性活躍推進法は、男女共同参画社会基本法の基本理念に則り、自らの意思によって職業生活を営み、又は営もうとする女性の職業生活における活躍を迅速かつ重点的に推進し、もって男女の人権が尊重され、豊かで活力ある社会を実現することを目的としており(法1条)、以下のとおり基本原則を定める。

 (i)  女性に対する採用、昇進等の機会の積極的な提供・活用、性別による固定的役割分担等を反映した職場慣行が女性の職業生活における活躍に対して及ぼす影響への配慮がされること(法2条1項)
 (ii)  必要な環境の整備等により、職業生活と家庭生活の円滑かつ継続的な両立を可能とすること(法2条2項)
 (iii) 女性の職業生活と家庭生活との両立に関し、本人の意思が尊重されるべきものであること(法2条3項)


 (2) 基本方針(法5条)

 政府は、上記(1)の基本原則に則り、女性の職業生活における活躍の推進に関する施策の総合的かつ一体的な実施を図るため、その基本的な方向等について定めた基本方針を策定、公表する(法5条)。
 基本方針は、政府の施策の総合的かつ一体的な実施に関する基本的な考え方を示すものであり、具体的には、(i)女性の職業生活における活躍の推進に関する基本的な方向、(ii)事業主の取組に関する基本的な事項、(iii)支援措置、職業生活と家庭生活との両立を図るために必要な環境の整備、施策に関する重要事項等をその内容として、2015年9月25日、閣議決定により策定、公表されている。

 (3) 事業主行動計画の策定及び情報公表(法7条、8条、15条~17条)

 所定の一般事業主及び特定事業主(国及び地方公共団体の機関の長など政令で定めるもの。令1条参照)は、それぞれ、政府が上記(1)の基本方針に即して別途定める策定指針を指針として、一般事業主行動計画又は特定事業主行動計画について策定、届出を行った上、公表しなければならない(法8条、15条)。
 また、所定の一般事業主及び特定事業主は、それぞれ、女性の求職者の職業選択に資する情報についても、定期的に公表しなければならない(法16条、17条)。
 これらのうち、一般事業主に対する規律については、下記3において詳しく論ずる。

 (4) 優良一般事業主認定制度等(法9条~11条、20条)

 一般事業主行動計画の策定及び届出をした一般事業主のうち、女性の活躍推進に関する取組の実施状況が優良な一般事業主は、その申請により、厚生労働大臣の認定を受けることができる(法9条)。認定を受けた一般事業主は、その商品等に厚生労働大臣が定める表示を付することができる(法10条1項)。
 この認定制度は、次世代法における認定制度(いわゆるくるみんマーク、プラチナくるみんマーク)に類似するものと位置付けられ、女性活躍推進法における認定制度では3段階の認定基準が設けられている(省令8条1項各号)。
 また、認定を受けた一般事業主等を対象とした公共調達における受注機会の増大その他の施策の実施に関しても規定が設けられている(法20条)。

 (5) 施行時期等

 女性活躍推進法は、既に一部が公布日(2015年9月4日)に施行されているが、一般事業主行動計画の策定等に関する部分は、2016年4月1日に施行される(法附則1条)。
 なお、女性活躍推進法は10年間の時限立法であり、2026年3月31日限り、その効力を失うこととされている(法附則2条1項)。女性の活躍推進は喫緊の課題であり、短期間で集中的な取組を進める必要がある一方で、各企業において必要となる取組は、配置・育成等や、長時間労働の是正、職場風土改革など、一定期間の継続的実施を要するものが多いことを踏まえたものである。
 また、政府は、施行から3年が経過した時点で、施行の状況を勘案し、必要があると認めるときは、その規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずることとされている(法附則4条)。

 3 一般事業主行動計画の策定等

 上記2のうち、民間の一般企業が主体的な対応を求められるのは、2(3)の一般事業主行動計画の策定等に関する部分であることから、以下ではこの点について詳しく述べる。
 なお、上記2(5)記載のとおり、一般事業主行動計画の策定等に関する部分は、2016年4月1日に施行されるが(法附則1条ただし書)、対象となる一般事業主は、同日までに届出等の対応を行う必要があるとされていることから、以下に述べる対応は前倒しで進めておく必要がある。
 規律の概要は、次の【表1】のとおりであり、一般事業主に求められる対応の流れは【図1】のとおりである。

 【表1】 一般事業主行動計画の策定等に関する規律の概要

 常時雇用する労働者の数
301人以上の一般事業主300人以下の一般事業主
事業主行動計画の策定 義務 努力義務
  女性の活躍状況の把握・分析 義務 行動計画を策定する場合は義務
  行動計画についての届出 義務 努力義務
  行動計画の労働者への周知 義務 行動計画を策定した場合は義務
  行動計画の公表 義務 行動計画を策定した場合は義務
取組実施・目標達成 努力義務 行動計画を策定した場合は努力義務
職業選択に資する情報の公表 義務 努力義務

  出典:内閣官房すべての女性が輝く社会づくり推進室「『女性の職業生活における活躍の推進に関する法律』が成立しました」共同参画82号4頁の表を筆者にて一部改変

 

拡大

 (1) 対象者

 一般事業主行動計画を策定しなければならないのは、常時雇用する労働者が300人を超える(すなわち、301人以上の)一般事業主である(法8条1項)。これに対して、常時雇用する労働者が300人以下の一般事業主においては、一般事業主行動計画の策定は努力義務とされている(法8条7項)。
 「常時雇用する労働者」は、雇用契約の形態に関わらず、事実上期間の定めなく雇用されている労働者、すなわち、(i)期間の定めなく雇用されている者、及び、(ii)一定の期間を定めて雇用されている者又は日々雇用される者であって、その雇用期間が反復更新され、事実上(i)と同等と認められる者をいう。
 中小企業白書によれば、常用雇用者が301人以上である個人企業・会社は、2012年時点で合計1万2000社超存在しており(中小企業庁『中小企業白書2015』611頁)、広範な影響が及ぶこととなる。
 なお、常時雇用する労働者が300人以下の一般事業主について努力義務とされたのは、事務負担、普及啓発に要する期間等を勘案したものであり、将来的には、この基準は引き下げられる可能性もある。同様に一般事業主行動計画の策定等について規定する次世代法においては、当初施行時点(2005年4月1日)では常時雇用する労働者が300人を超える一般事業主に対してのみこれを義務付けていたが、2008年の改正により、この基準を100人に引き下げた(当該改正は2011年4月1日から施行)。女性活躍推進法においても、このような基準の引下げは当然に検討され得ると考えられる。

 (2) 一般事業主行動計画の策定

 常時雇用する労働者が300人を超える一般事業主は、政府が別途定める策定指針に即して、一般事業主行動計画を策定しなければならない(法8条1項)。この策定指針は、上記1のとおり、2015年11月20日に公表された。
 一般事業主は、一般事業主行動計画の策定に先立ち、①女性採用比率、②勤続年数の男女差、③労働時間の状況、④管理職の女性比率等の状況把握と、改善すべき事情の分析が必要となる(法8条3項前段)。
 状況把握の対象となる事項については省令に委任されているが、上記①~④は必ず状況把握が必要となる「必須項目」、その他の事項については必要に応じて状況把握を行えば足りる「任意項目」であると位置付けられている(省令2条1項各号)。状況把握の対象項目の概要は、【表2】のとおりである。

 【表2】 状況把握の対象項目の概要

 
必須項目
  ①採用した労働者に占める女性労働者の割合  
  ②男女の平均継続勤務年数の差異  
  ③各月ごとの時間外労働及び休日労働の合計時間数等の労働時間の状況    
  ④管理職に占める女性労働者の割合    
任意項目
  ⑤男女別の採用における競争倍率  
  ⑥労働者及び派遣労働者に占める女性労働者の割合 〇 
  ⑦男女別の配置の状況  
  ⑧男女別の将来の人材育成を目的とした教育訓練の受講の状況  
  ⑨管理職や男女の労働者の職場風土等に関する意識
  ⑩10事業年度前及びその前後の事業年度に採用した労働者の男女別の継続雇用割合  
  ⑪男女別の育児休業取得率及び平均取得期間  
  ⑫男女別の職業生活と家庭生活との両立支援制度(育児休業を除く)の利用実績  
  ⑬男女別のフレックスタイム制、在宅勤務、テレワーク等の柔軟な働き方に資する制度の利用実績    
  ⑭各月ごとの残業時間数等の労働時間の状況
  ⑮管理職の各月ごとの労働時間等の勤務状況    
  ⑯有給休暇取得率  
  ⑰各職階の労働者に占める女性労働者の割合及び役員に占める女性の割合    
  ⑱各職階から一つ上位の職階に昇進した男女別の割合    
  ⑲男女の人事評価の結果における差異  
  ⑳セクシュアルハラスメント等に関する相談窓口への相談状況
  ㉑男女別の職種又は雇用形態の転換実績
  ㉒男女別の再雇用又は中途採用の実績  
  ㉓男女別の職種若しくは雇用形態の転換者、再雇用者又は中途採用者の管理職への登用実績    
  ㉔男女別の非正規雇用労働者のキャリアアップに向けた研修の受講の状況  
  ㉕男女の賃金の差異  

 「区」は雇用管理区分(職種、資格、雇用形態、就業形態等の労働者の区分であって、他の区分に属している労働者と異なる雇用管理を行うことを予定して設定しているもの。例えば、一般職/総合職/パート等)ごとの把握が必要となるもの、「派」は派遣先においては派遣労働者を含めた把握が必要となるものを指す。

 

 このような状況把握・課題分析は、一般事業主ごとに異なり得る個々の状況を適切に把握・分析し、改善を要する課題を十分に認識した上で、一般事業主行動計画の策定の基礎とするという柔軟かつ実効性のある対応を求めるものであり、マニュアル的な対応を許さないものと評することもできる。
 一般事業主は、これらの状況把握・課題分析の結果を勘案して、一般事業主行動計画の内容として、(i)計画期間、(ii)達成しようとする目標、並びに、(iii)取組の内容及びその実施時期を定める必要がある(法8条2項各号)。
 (i)の計画期間は、女性活躍推進法が10年間の時限立法であることから、この10年間をおおむね2年間から5年間に区切るとともに、定期的にその進捗を検証しながら改定を行っていくことが望ましいとされる。
 (ii)の目標は、①~④その他の数値を用いて「定量的に」定める必要がある(法8条3項後段)。すなわち、(ii)は数値目標を定めることが予定されている。数値目標の設定の対象は、状況把握・課題分析の結果、その一般事業主において課題と判断されたものである。複数の課題が認識された場合には、優先順位を付けながら対応することもあり得る。そのようにして設定された数値目標の達成について、一般事業主には努力義務が課せられる(法8条6項)。
 このように、女性活躍推進法においては、法律上具体的な数値目標を掲げず、一般事業主が自主的にこれを定めるものとしている。もっとも、このような自主的な取組に委ねた結果、進捗が芳しくない場合には、法律上一定の数値目標を設けることも検討され得よう。2003年に男女共同参画推進本部が「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が、少なくとも30%程度になるよう期待する」との目標を掲げ、その後の政府の方針となっていることも踏まえる必要があると考えられる。
 (iii)の取組の内容及びその実施時期は、数値目標の設定を行ったものから優先的に、その達成のために行われるべき取組を検討した上で、例えば、採用した労働者に占める女性労働者の割合が低い雇用管理区分がある場合には、採用選考基準やその運用を見直すといったように、課題分析の結果に対応する形で、実効的な取組を行うことが想定されている。
 なお、上記の取組として、女性労働者を優先的に取り扱う措置(いわゆるポジティブ・アクション)を講ずる場合には、当然ではあるが、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(男女雇用機会均等法)への配慮も必要となる(同法8条、労働者に対する性別を理由とする差別の禁止等に関する規定に定める事項に関し、事業主が適切に対処するための指針第2の14(1)参照)。

 (3) 一般事業主行動計画に関する届出・周知・公表等

 一般事業主が一般事業主行動計画を定めた場合には、(i)その住所又は主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長への届出(法8条1項、省令1条)、(ii)事業所の見やすい場所への掲示、書面の交付又は電子メールの送信その他の適切な方法による労働者への周知(法8条4項、省令3条)、及び、(iii)インターネットの利用その他の適切な方法による公表が必要となる(法8条5項、省令4条)。
 (i)の都道府県労働局長への届出は、2016年4月1日までに行う必要があるとされている。実際の受付は2016年1月頃に開始される予定である。また、届出書の記載事項は【表3】のとおりである(省令1条各号)。届出書の様式は、通達において示されている。

 【表3】一般事業主行動計画に関する届出書の記載事項

  ①氏名・名称・住所(法人は代表者氏名)
  ②常時雇用する労働者の数
  ③策定日又は変更日
  ④計画期間
  ⑤把握した状況の分析の概況
  ⑥数値目標及び取組内容の概況
  ⑦労働者への周知の方法
  ⑧一般事業主行動計画の公表の方法
  ⑨一般事業主行動計画を変更した場合はその変更内容
  ⑩女性の職業生活における活躍に関する情報の公表の方法

 (ii)の労働者への周知は、一般事業主行動計画に定められた数値目標の達成に組織全体で取り組むためのものであり、非正社員も含めた全ての労働者に対する周知が求められる。もし全ての労働者のアクセスが確保されているのであれば、イントラネットへの掲載等であっても差し支えないと解される。
 (iii)の公表は、求職者、投資家、消費者等が、各一般事業主の姿勢や取組等を知るとともに、一般事業主間での情報共有や社会全体の女性の活躍の推進のためのものであり、自社のウェブサイトや「女性の活躍・両立支援総合サイト」、2016年2月頃に厚生労働省において開設される予定のウェブサイトへの掲載等といった方法で公表することが考えられる。
 なお、女性活躍推進法と同様に一般事業主行動計画の策定等を求める次世代法に基づく一般事業主行動計画と一体的に一般事業主行動計画を策定することも可能である。このような場合には、都道府県労働局長への届出を一体的に行うことができる。

 (4) 女性の職業選択に資する情報の公表

 上記(3)の一般事業主行動計画の公表とは別に、常時雇用する労働者が300人を超える一般事業主は、その事業における女性の職業生活における活躍に関する情報を定期的に公表する必要がある(法16条1項)。これに対して、常時雇用する労働者が300人以下の一般事業主においては、この情報公表についても努力義務とされている(法16条2項)
 この情報公表の趣旨は、就職活動中の学生等の求職者の職業選択を通じ、女性が活躍しやすい企業により優秀な人材が集まり、競争力を高めることができる社会環境を整備することにより、市場を通じた社会全体の女性の活躍の推進を図る点にある。
 情報公表をすることが考えられる項目は、省令に委任されているところ(省令19条1項各号)、当該項目の概要は【表4】のとおりである。情報公表については、これらの項目の中から1つ以上、一般事業主が適切であると認めた項目を公表すれば足りる。もっとも、公表の範囲自体が一般事業主の姿勢を示すものとして、求職者の企業選択の要素となることに留意が必要である。

 【表4】 情報公表の項目の概要

 
①採用した労働者に占める女性労働者の割合  
②男女別の採用における競争倍率  
③労働者及び派遣労働者に占める女性労働者の割合
④男女の平均継続勤務年数の差異    
⑤10事業年度前及びその前後の事業年度に採用した労働者の男女別の継続雇用割合    
⑥男女別の育児休業取得率  
⑦1か月当たりの残業時間数    
⑧雇用管理区分ごとの1か月当たりの残業時間数
⑨有給休暇取得率    
⑩係長級にある者に占める女性労働者の割合    
⑪管理職に占める女性労働者の割合    
⑫役員に占める女性の割合    
⑬男女別の職種又は雇用形態の転換実績
⑭男女別の再雇用又は中途採用の実績    

「区」と「派」の意味は【表2】と同様である。

 

 公表に当たっては、おおむね1年に1回以上、公表日を明らかにして、インターネットの利用その他の方法により、女性の求職者等が容易に閲覧できるように公表しなければならない(省令19条3項)。
 なお、公表する情報については、その時点に得られる最新の数値(特段の事情のない限り、古くとも公表時点の事業年度の前々事業年度の状況に関する数値)とする必要があるとされている。

 (5) 罰則等

 厚生労働大臣には、一般事業主に対する報告の徴求、助言・指導・勧告の権限が認められている(法26条)。この報告をせず、又は虚偽の報告をした一般事業主は、20万円以下の過料に処せられる(法34条)。

 4 まとめ

 既に述べたとおり、一般事業主行動計画の策定等の義務を負う一般事業主においては、状況把握・課題分析に必要となる時間を見据え、早期にこれらの準備作業に着手する必要がある。
 また、常時雇用する労働者が300人以

この記事の続きをお読みいただくためには、法と経済のジャーナルのご購読手続きが必要です。

朝日新聞デジタル購読者(フルプラン)の方なら手続き不要

法と経済のジャーナル Asahi Judiciaryは朝日新聞デジタルの一部です。
有料(フルプラン)購読中の方は、ログインするだけでお読みいただけます。

朝日新聞デジタルのお申し込みはこちら

辰巳 郁(たつみ・かおる)

 2004年、東京大学法学部第一類卒業。2012年、デューク大学ロースクール卒業(LL.M.)。2012~2013年までシカゴのカークランド・アンド・エリス法律事務所勤務。2013~2015年、法務省民事局(会社法担当、商事課併任)出向。2014年、司法試験考査委員(商法)。2014年、ミャンマー法整備支援プロジェクト会社法アドバイザリーグループ委員。
 主な著作として、『立案担当者による平成26年改正会社法関係法務省令の解説』(2015年7月、別冊商事法務No.397)、『平成26年会社法改正 ― 会社実務における影響と判例の読み方』(有斐閣、2015年5月)、「表明保証と当事者の主観的事情〔上〕・〔下〕」旬刊商事法務1998号(2013年5月)・1999号(同月)などがある。

Facebookでコメントする

ご感想・ご意見などをお待ちしています。